巻誠一郎、『HEROs AWARD 2019』を受賞 熊本復興に「アスリート」が持つ力で

サッカー元日本代表FW巻誠一郎さんが熊本地震の復興支援活動を評価され、『HEROs AWARD 2019』に選出された。

「自然災害はないに越したことはないけれど、日本ではこれからも災害が発生することは避けられない。そのときに前に進むきっかけを作りたい」と語った。

『HEROs AWARD』を受賞 故郷・熊本の復興支援活動に尽力

現在39歳の巻さんは、2005年から2009年まで日本代表として活躍。2006年にはワールドカップ・ドイツ大会に、当時は「サプライズ」と言われた選出で出場を果たした。2014年からは出身地である熊本県のロアッソ熊本でプレーし、2018シーズンを最後に引退した。

ロアッソ熊本に所属していた2016年に発生したのが熊本地震だ。発生後は試合中止を余儀なくされたが、巻さんはすぐに復興支援の募金サイトを立ち上げ、さまざまな復興支援活動に尽力することになる。

今回、巻さんが受賞した『HEROs AWARD』とはアスリートやチーム・リーグ、NPOが行う優秀な社会貢献活動を表彰する式典。スポーツの力を活かした社会貢献活動を可視化し、次に続くアスリートのロールモデルを示していくという。

HEROs AWARD2019を受賞した(左から)巻誠一郎さん、井本直歩子さん、梶川三枝さん、北澤豪さん 撮影=山口和幸

「スポーツ選手はいろいろな人に支えられている」

「アスリートの価値を自分の力で高めたいなと常に思っていた。だから目の前に困っている人がいたらまずその人を助けようと決意しました。それが震災復興活動を始めたときの思いでした」と巻さん。

はじめは手探りでなにをしていいか分からなかった。そんなとき、1人のお母さんからメッセージをもらった。そこから心が通う交流がスタートして、徐々に人の輪が広がっていく。音楽アーティストが熊本に歌いに来てくれ、人々の表情が次第に明るくなっていく。熊本が前に向かうエネルギーが増した。そう、肌で感じたという。

スポーツ選手はいろいろな人に支えられて活動しています。だから今度はみんなを助けなくちゃ。被災者に寄り添って前に進むサポートをする。この経験は僕自身、アスリートとしての今後にいい結果をもたらすと思いますし、日本の中でさらにスポーツが発展していくキーワードになるはずです」

「アスリート」が持つ力で

そして、前を向いて進もうとする人たちこそがヒーローだと続ける。アスリートは象徴しやすい存在なのでこの賞は自らが受け取った。「みんなが笑顔になってくれればいいんです」という気持ちが強い。

サッカーには素晴らしい力があります。サッカーをやったことのない子もいます。震災によって夢を失ったり、やりがいをなくした子どもたちもいます。そんな子どもたちの足もとにボールを蹴ると、それは必ず返ってくる。こうしてコミュニケーションが芽ばえるんです」

HEROs AWARD 2019に選出された巻誠一郎さん 撮影=山口和幸

アスリートが持つ力。被災地のグラウンドで巻さんがボールを蹴るうちにみんなが次第に笑顔になっていく。子どもたちが笑えば、大人も笑う。

巻さんは震災後から300近い拠点を毎日回ったという。アスリートの力は世の中に還元できると信じているからだ。

2020年1月13日には熊本市にある「えがお健康スタジアム」でかつての日本代表チームメートらが集まって、巻さんの引退試合が実施される予定だ。

≪山口和幸≫

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