【WRC】トヨタは3年連続3冠獲得なるか、2023年シーズンがモンテカルロで開幕

 

【WRC】トヨタは3年連続3冠獲得なるか、2023年シーズンがモンテカルロで開幕
2022年開幕戦、氷上のモンテカルロ・コースでドリフトを見せるカッレ・ロバンペラのトヨタ車 (C) Getty Images

FIA世界ラリー選手権WRC)2023年シーズンは19日、モナコからフランスにかけて開催される伝統のラリー・モンテカルロで開幕を迎える。WRCは23年も1911年からの歴史を誇る本戦を皮切りに22年、12年ぶりにカレンダーに復帰した11月のラリー・ジャパンまで全13戦が行われる。

■フル参戦のロバンペラとエバンス、勝田もWRTへステップアップ

やはり注目は昨年、ドライバーズ・タイトル、マニュファクチャラーズ・タイトルなど完全制覇を果たしたTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamだ。史上最年少の22歳で王者となったカッレ・ロバンペラは今季もヨンネ・ハルットゥネンと組んで参戦。トヨタは他にエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組、そして凱旋レースのラリー・ジャパンで3位表彰台に上がった日本の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組の計4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDを送り込む。

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2023 GR YARIS Rally1 HYBRID (C) TGR

最高峰カテゴリーがそれまでのWRカーから、ハイブリッドシステムを搭載するRally1 HYBRIDへと移行した昨シーズン、トヨタは年間7勝を記録。新シーズンはGR YARIS Rally1 HYBRIDをさらに改善。ハイブリッドシステム冷却のためのクーリングインレットを含む、リヤのボディワークを変更。パフォーマンスをさらに高めるために、新しいスペックのエンジンも導入するなど、総合性能の向上を目指した。

ドライバーは、ロバンペラとエバンスが全戦参戦。3台目のシートを昨年1勝を挙げたオジエと表彰台を2回獲得した勝田がシェアする。オジエは通算9回目となるラリー・モンテカルロ優勝を狙う。一方、勝田はオジエがエントリーしないラリーではチームの3台目として出場し、それ以外のラリーでは引き続きTGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場。今季もWRC全戦に出場する。トヨタはこのラインナップで3年連続3冠獲得を目指す。

■「チャンピオンシップを守るのは決して簡単ではない」とロバンペラ

TGRチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは「ラリーファンにとって、シーズンの始まりはいつも非常にエキサイティングな瞬間ですが、今年もそれは変わりません。どのチームにも勝つチャンスがあるため、今シーズンはよりタフでチャレンジングな戦いになると思います。それでも、我々はこのチャレンジが好きですし、勝つために真剣に戦うことを楽しんでいます。もちろん、ターゲットは3つのタイトルを再び獲得することであり、それを実現しなくてはなりません。我々には強いクルマがありますが、ハードワークを続ける必要があることも、昨年よりも改善しなければならないエリアがあることも理解しています。毎年、どこを改善すればいいかを考えなければなりませんが、今年もいくつか変更を施しました。競争力と信頼性を備えたクルマがあり、ドライバーもクルマに慣れていて、良い結果を出したがっているので、全てにおいて準備は整っています。開幕戦のラリー・モンテカルロは、シーズン中最も難しいラリーです。初日の木曜日の夜、暗闇の中で行われるステージはドライバーにとって大きな挑戦ですが、最終日に良い結果を出してシーズンをスタートできることを願っています」とコメントを寄せた。

またディフェンディング・チャンピオンのロバンペラは「新しいシーズンの開幕を前にして、とても良いフィーリングです。チャンピオンシップを守るのは決して簡単なことではないと分かっていますし、競争のレベルが常に上がっていく様を見てきました。だからこそ、自分たちの力を高めハードにプッシュし続けなければなりません。チームは引き続きクルマの性能を最大限に引き出し、より速く、強くするために素晴らしい仕事をしてくれています。ラリー・モンテカルロは特別なイベントなので、シーズンの開幕は例年少しトリッキーでナーバスになります。それでも、クルマが完全に新しくなった昨年に比べれば、自信を持ってラリーに臨むことができますし、全てが正しい方向に向かっているので、昨年よりも落ち着いてスタートを切ることができるはずです。ラリー・モンテカルロでクリーンな走りをするのは決して簡単なことではありませんが、シーズンを確実にスタートするためにも、そのような走りをしようと考えています」とその意気込みを語った。

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■迎え撃つはヌービル、タナックか……

ラリー・ジャパン、セレモニアル・フィニッシュで優勝の喜びを爆発させるヌービル組とヒョンデ・チーム 撮影:SPREAD編集部

迎え撃つはラリー・ジャパンでトヨタ勢の凱旋勝利を阻み優勝を果たしたティエリー・ヌービルを始めとするヒョンデ・シェル・モビスWRT。他ヒョンデi20 Nラリー1を駆るのは、ダニ・ソルド、トヨタから移籍したエサペッカ・ラッピ

◆ラリージャパン2022 開催概要・日程・放送予定・結果一覧

Mスポーツ・フォードWRTからは、ヒョンデから移籍したオィット・タナックと初のフル参戦となるピエール-ルイ・ルーベが、フォード・プーマ・ラリー1で参戦する。昨年8度目のモンテカルロを制したWRC9度制覇の絶対王者セバスチャン・ローブはエントリー・リストにない。先日、ダカール・ラリーで昨年同様準優勝を果たし、そのままモナコに乗り込むのが期待されたが、少々残念だ。

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昨年の開幕戦でしのぎを削ったのはローブとオジエとローブ。元王者によるWセバスチャン対決が話題となっただけに、ここモンテカルロでその再戦が見られないのは、無念というファンも多いだろう。

■チームの総合力が求められるモンテカルロのコース

昨季開幕戦、Wセバスチャン対決を制し表彰台の真ん中に立つローブとそれを祝福するオジエ(左下) (C) Getty Images

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2023年のラリー・モンテカルロは、昨年大会に続き全日程を通しモナコのハーバーにサービスパークが置かれ、そこを起点にフランス南部の山岳地帯で4日間に渡り競技を行う。ステージは基本的にすべてターマック(舗装路)、天候により降雪路となる可能性もあり、一部の路面はウェット、凍結もあり路面コンディションが一定ではない点が最大の特徴。タイヤ選択も難易度が高く、ドライバーの技術だけでなく、チームの総合力が求められる。

ラリー初日の19日は午前中にシェイクダウンが行われ夕方、モナコ中心部のカジノ広場でのセレモニアルスタートで開幕。その後、モナコの北側に広がるフランスの山岳地帯で20時過ぎからデイ1として2本のステージが行われる。1本目のSS1は有名なチュリニ峠に向かう上りのステージ、2本目のSS2は2020年大会でも使用された、ラ・カバネットから峠道を下っていくダウンヒル中心のステージで、いずれも夜間の走行となる。

競技2日目となる20日、デイ2はモナコから100キロ以上北西に離れたフランス南部の山岳地帯で3本のステージを各2回走行。競技3日目の21日は、デイ2よりもさらに西側のエリアで3本のステージを各2回走る。このデイ3のステージの合計走行距離は111.78キロと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は687.23キロに達し、早朝モナコのサービスパークを出発したドライバーが、サービスパークに戻るのは約15時間後となる。なお、デイ2とデイ3はモナコでの「ミッドデイサービス」の設定がなく、各ステージに比較的近いピュジェ=テニエの町に設けられた「タイヤフィッティングゾーン」での簡単な整備のみとなるため、マシンへのダメージは大きな代償となる。

最終日となる22日のデイ4は、デイ1に近いエリアで2本のステージを各2回走行。そのうちSS16とその再走ステージであるSS18「ラ・ボレーヌ=ベジュビー/コル・デ・チュリニ」は、SS1と完全に同じステージだが、夜間ではなく昼間の走行。また、最終ステージとなるSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」。4日間で18本のステージを走行し、その合計距離は325.02キロ。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1534.79キロが予定されている。

提供:TGR・WRC

■2023年世界ラリー選手権カレンダー

第1戦 ラリー・モンテカルロ(1月19~22日)
第2戦 ラリー・スウェーデン(2月9~12日)
第3戦 ラリー・メキシコ(3月16~19日)
第4戦 クロアチア・ラリー(4月20~23日)
第5戦 ラリー・ポルトガル(5月11~14日)
第6戦 ラリー・イタリア・サルディニア(6月1~4日)
第7戦 サファリ・ラリー・ケニア(6月22~25日)
第8戦 ラリー・エストニア(7月20~23日)
第9戦 ラリー・フィンランド(8月3~6日)
第10戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ(9月7~10日)
第11戦  ラリー・チリ(9月28日~10月1日)
第12戦 セントラル・ラリー・ヨーロッパ(10月26~29日) オーストリア、チェコ、ドイツ
第13戦 ラリー・ジャパン(11月16~19日)

◆第11戦 トヨタのカッレ・ロバンペラが優勝で史上最年少王者戴冠 「チャンピオンは唯一の目標」と歓喜

文●SPREAD編集部