各地区で激しいプレーオフ争いが行われており、まさに佳境に入ってきたといえる2024年シーズン。大谷翔平投手、山本由伸投手が所属するドジャースは、ナ・リーグ西地区首位に立っているが、2位のパドレス、3位のダイヤモンドバックスまでがワイルドカード圏内につけるなど最激戦区となっている。現状、千賀滉大投手のメッツ、鈴木誠也外野手と今永昇太投手のカブスが僅差で追っており、どのチームが進出しても日本人選手たちによる“ヒリヒリする”ポストシーズンが見られそうだ。
一方のア・リーグ。最激戦区となっているのはやはり東地区。ヤンキースが首位に立っているものの、ゲーム差0.5という僅差で迫っているのがオリオールズだ。チーム打率は.250、本塁打数も1本差の214本と、強力な打撃陣を誇るヤンキースとチームの打撃成績が肉薄していることからも、最終戦まで激しい首位争いになることが予想されるだろう。そんな強力オリオールズ打線を牽引しているのが、アンソニー・サンタンダー外野手だ。
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■オリオールズで本格開花→史上8人目の偉業達成
2016年にルール5ドラフトによってインディアンズ(現ガーディアンズ)からオリオールズに移籍したサンタンダー。怪我などの影響もあり鳴かず飛ばずの状態が続くものの、チーム再建期にあったオリオールズにおいて徐々に頭角をあらわし、2022年にはチーム1位の33本塁打、89打点を記録するまでに成長した。
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今シーズンもここまで140試合に出場すると、打率こそ.242にとどまるものの、本塁打40本、打点94、OPS.828と本塁打と打点でチーム2冠の大活躍。ガナー・ヘンダーソン内野手らと共に、強力なオリオールズ打線を牽引する存在となっているのだ。
【動画】サンタンダーの豪快満塁弾にマルチアングルで密着!
サンタンダーの特徴といえば両打ち、いわゆる“スイッチヒッター”であることが第一にあげられるだろう。巧打者のイメージが強い両打ちの選手において、サンタンダーのパワーは目を見張るものがある。実際、今シーズン40本塁打に到達しているのは大谷、アーロン・ジャッジ外野手に次いでサンタンダーが両リーグあわせて3人目。両打ち選手による40本以上のホームラン達成者は、ミッキー・マントル、トッド・ハンドリー、チッパー・ジョーンズ、カルロス・ベルトランら過去7人。往年の名選手が並ぶこの“スイッチヒッター40本クラブ”に史上8人目の加入となることを考えても、今季のサンタンダーは歴史的なシーズンを送っていると言えるだろう。
■アプローチ変化でホームランは増加
8月末にMLB公式サイトに掲載された、トーマス・ハリガン氏によるサンタンダーの特集記事では『これまで決してエリートパワーヒッターとして評価されていなかったサンタンダーだが、今季は両打席共に引っ張りでフライボールを多く打っていることが功を奏している』と考察。今季250のバッティング機会があった選手の中で、サンタンダーのゴロ率は全体で2番目に低い28.3%、打ち出し角度は全体で2番目に高い24度、プル率においても43.1%で上位層に位置すると、今季サンタンダーが変化させたバッティングアプローチによってホームランが増加しているのではないかと結論づけたのだ。
今シーズンオフにFAとなるサンタンダーだが、フアン・ソト外野手ら大物に注目が集まる中大型契約を勝ち取れるのか? サイ・ヤング賞候補のコービン・バーンズ投手や若手有望株であるガナー・ヘンダーソン内野手、ジャクソン・ホリデイ内野手に注目があつまりがちなオリオールズではあるが、今後ポストシーズンにおいてチームの核となるであろう“伏兵”にも注目してみてほしい。
※成績は9月10日(日本時間9月11日)試合終了時点
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