26日から、茨城県の大利根カントリークラブ・西コースで国内メジャー、日本女子オープンが開催される。
日本女子オープンは、歴代覇者の欄に大会の権威にふさわしい名前が並び、‟日本と世界を結ぶ架け橋”になっている。
過去12大会で優勝した全8人(複数回優勝者が複数名いる)は、内7人が米ツアーメンバー(元を含む)。フォン・シャンシャンやチョン・インジなどメジャー覇者もいる。
残りの1人が原英莉花で、その原は今季、米ツアー予選会に挑戦予定。来季の今頃はバリバリの米ツアーメンバーとして戦っているかもしれない。
今回の日本女子オープンは、「国内メジャーは全部獲りたいけど、特に日本女子オープンは獲りたい」と語る小祝さくらに注目したい。小祝は、優勝すれば国内メジャー初制覇となる。
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■黄金世代が5連覇中
2019年からの5大会はすべて黄金世代の選手が優勝。19年は畑岡奈紗が、20、23年は原が、21、22年は勝みなみが制した。
今年、黄金世代の選手が連覇を6に伸ばすことがあるとすれば、その筆頭候補は小祝。
近年の優勝者を見ると、飛距離が出る選手が優勝している。原も勝も日本女子を代表する飛ばし屋だが、小祝も今季のドライビングディスタンスが9位と、飛距離が出る選手。
今季これまで2勝。平均ストロークは69.9733の3位。初の60台を狙えるほどのプレーを見せている。最近5戦を見ても、トップ5が3回と好調を維持。国内メジャー優勝のチャンスは大いにある。
■大会史上最長のコース
今年の日本女子オープンは、全長6845ヤードと、大会史上最長の距離設定。これは、飛距離が出る方の小祝にっては有利に働くのではないだろうか。
ちなみにこの6845という数字。どれだけ長いか、という点でピンとこないかもしれないが、男子ツアーに置き換えると、長さのイメージが掴めるかもしれない。
男子の日本オープンの大会史上最長距離は、7416ヤードで、六甲国際で開催された2015年大会。今年の女子と同じパー72で開催された。
数字だけを比べると、男子の方が長いのだが、各ホールの女子選手の想定番手を、そのまま男子選手が使用した場合の飛距離を算出してみると、18ホールの合計が8143ヤードとなる。
つまり、今年の日本女子オープンは、男子選手が8143ヤードのコースをプレーしている時に感じる長さを感じながら選手たちがプレーする、とも言うことができるのだ。
ちなみに8143という値は、ドライバーの飛距離を、女子選手が250ヤード、男子選手が300ヤードとし、9番アイアンの飛距離を、女子選手が125ヤード、男子選手が150ヤードとして算出した。
■ボールストライキング1位
今季のドライビングディスタンスは252.57ヤードで9位。小祝は過去、同項目でトップ10に入ったことはなく、今季がこれまでで最も飛距離が出ている。
さらに、ほかのショット関連スタッツも昨季までよりも上を行っている。
パーオン率は3位。昨季、初のトップ10となる6位だったが、そこからさらに順位を上げてきている。
パーオン率とトータルドライビングの順位を合算した値であるボールストライキングは、これまでは2018年の4位が最高だったが、今季現時点で1位。
その結果がトップ10の回数にも表れている。今季25試合出場で14回(2位)。トップ10の確率を見ると、これまでのシーズンで最も高い確率となっている。
■国内メジャー初制覇なるか
現時点の世界ランキング45位で、日本ツアー通算11勝を誇る小祝の、通算獲得賞金は7億3400万5666円で16位。これは、20代の選手の中で最上位。
これだけの実績を積み重ねてきているが、米ツアー参戦に関しては現状、否定的な姿勢を見せているようだ。だが、国内メジャーを獲り、任意の年から行使できる3年シードを得られれば、気持ちが米ツアーに傾くことが考えられる。
畑岡や渋野日向子、勝といった同じ黄金世代の仲間たちは米ツアーで戦っているし、元同門の吉田優利も米ツアーに主戦場を移した。そして、原や、仲良しの岩井姉妹は今季の米ツアー予選会に挑戦する。
国内メジャータイトルを獲れば、米ツアー挑戦に向けて動き始めるかもしれない。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。