【凱旋門賞/馬連11点勝負】本命は枠+馬場+データ味方の牝馬 シンエンペラーは「1.0.1.23」が鬼門に

凱旋門賞2024の枠順
凱旋門賞2024の枠順

日本時間10月6日深夜、世界最高峰の一戦・凱旋門賞(GI、芝2400m)が仏国・パリロンシャン競馬場にて行われる。

日本調教馬にとって悲願とも言える歴史的快挙を目指し、今年はシンエンペラー1頭が参戦。立ちはだかる海外勢は、地元フランスのダービー馬ルックドゥヴェガや、前哨戦ニエル賞を制したソジー、武豊が騎乗するアルリファーなどが注目を集める。103回目を数える欧州最高峰のレースを制するのは、果たしてどの馬か。

◆【凱旋門賞2024予想】シンエンペラーの印は 伏兵◎馬連11点勝負の買い目・結論

■争覇圏のシンエンペラーだが、実績面が乏しく……

今年は英ダービー馬シティオブトロイや、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを制したゴリアット、ジャパンCへ出走予定のオーギュストロダンなど、12ハロン路線の実力馬が出走しないのは残念なところ。一方で、レーティング上位120~121(牝馬はアローワンス3ポンドを加算)に7頭がひしめく混戦模様で、どの馬が勝ってもおかしくない。

当然、日本から参戦するシンエンペラーも争覇圏の1頭。前走愛チャンピオンSでは中団から追走し、直線では前が壁になるシーンがありながら外に切り返すと、勝負根性を見せて追い込みクビ+3/4馬身差の3着。3カ月半の休み明けで初めての欧州での競馬、さらに本番を見据えた余力を残した状態でのレースだっただけに価値の高い一戦だ。

近年、愛チャンピオンS組はもっとも本番との相性が良く、過去10年で3勝2着3回3着1回。しかも敗戦組が好走するケースが多く、全兄ソットサスも愛チャンピオンS4着から凱旋門賞を制しており、弟にもその再現が期待される。

懸念材料を挙げると、過去10年で3着以内に入った3歳牡馬7頭すべてがダービー馬だった点。皐月賞5着、日本ダービー3着と国内の同世代なら上位の存在だが、重賞はGIIIの1勝だけ。実績不足の感は否めない。また、11番ゲートに入ったが過去10年の凱旋門賞で、11番より外の馬の成績は【1.0.1.23】と外枠は圧倒的に不利な傾向。そのあたりも気がかりだ。応援したい気持ちがある一方、馬券的には人気ほどの旨味はないと考える。

■外せない3歳のダービー馬

現地ブックメーカーで上位人気に支持されているのは3歳勢。その中でも仏ダービー馬ルックドゥヴェガは外せない1頭だろう。前走のニエル賞では軽快に逃げたものの、仏ダービーで破ったソジーに差し切られて初めて土がついた。

だが、直線はノーステッキで完全に試走に徹した様子。ひと叩きされて上昇カーブを描くことは間違いなく、重馬場しか経験はないが今週末のロンシャンは雨模様でおそらく重予報。ならば、馬場を苦にすることは考えにくく馬券圏内を形成する“ダービー馬”という条件も合致している。

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同じく、重馬場でなお良さそうなのが愛ダービー馬のロスアンゼルス。前走愛チャンピオンSではシンエンペラーとの競り合いに敗れて4着となったが、こちらは2000mという距離がやや短かった印象。【2.0.1.0】とベストディスタンスの12ハロンになれば逆転の目は十分だ。

2歳時には不良に近い重馬場で、GIクリテリウムドサンクルーを制しており道悪はお手の物。その一方で、良馬場の愛ダービーは過去10年で最速のタイムをマークしており、馬場状態は問わないタイプ。8年ぶりの当レース制覇を目指すA.オブライエン調教師の手腕にも一目置きたい。

■鞍上武豊、応援したい気持ちはあるが……

凱旋門賞史上最多8勝を誇るA.ファーブル調教師が送り出すのが、パリ大賞、ニエル賞と連勝中のソジーと、GI5勝を誇る5歳牝馬マルキーズドゥセヴィニエ。前者は前走で仏ダービーで敗れたルックドゥヴェガを破って勢いに乗っているが、父・母父ともに、凱旋門賞で相性が良いサドラーズウェルズ系ではない点が懸念材料。ニエル賞組も、過去10年で3着が2回あるだけで、前哨戦としては相性が悪く評価は下げたい。

また、後者のマルキーズドゥセヴィニエは、マイル~中距離を使われてきており、2400mは初体験となる点が懸念材料。ゲートも大外16番に決まってかなり分が悪い印象だが、キャリア17戦中14戦をやや重以上の緩い馬場で戦ってきており、雨予報は大歓迎のクチだ。ソットサスと同じシユーニ産駒で、血統面の後押しがあれば激走があってもおかしくない。

武豊にオファーが舞い込んだアルリファーは、2歳時にGIを制して以降勝ち切れないレースが続いていたが、初めて2400mに臨んだ前走のベルリン大賞を圧勝。一躍注目を集める存在となった。ただ、相手に恵まれた印象もあり、そのインパクトほどの強さは感じられない。

鞍上にとっては悲願の凱旋門賞制覇が懸かる一戦となるが、心情的には日本馬とのコンビで制してほしいところ。ある程度人気も集めそうで、妙味ほどの信頼感はなさそうだ。