【スーパーGT】 2025年シーズンが今週末開幕 タイトル3連覇に向け、トムス1号の車好発進なるか

【スーパーGT】 2025年シーズンが今週末開幕 タイトル3連覇に向け、トムス1号の車好発進なるか
(C) GTA

国内最高人気を誇るモータースポーツ、スーパーGTの2025年シーズンが今週末、岡山国際サーキットで開幕する(予選:4月12日、決勝:13日)。GT500クラスとGT300クラス、2クラスあわせて40台以上が同時に戦うことでレース中スリリングなシーンが頻繁に訪れることが大きな魅力のスーパーGTは、接戦を演出するサクセスウェイト(獲得ポイントにより課せられるハンデの名称)により、2戦目以降スリリング要素はさらに増す。

その中で開幕戦の見どころは、ハンデなしの戦いで今シーズンの真の勢力図を計ることだ。実際に昨シーズンも、優勝したNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔山下健太)はじめ、開幕戦で上位に入ったチームが最終的に好成績を収めている。

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■12年ぶりセパン開催と予選方式の変更に注目

具体的な見どころの前に今シーズンのルール変更について説明すると、大きな点としては12年ぶりにマレーシアのセパン・インターナショナルサーキットで第3戦が開催されることと、予選方式が昨シーズンの合算タイム方式から、その前に採用されていたノックアウト方式に戻ったことが挙げられる。セパンでは毎年、オフシーズンテストこそ行われているが、現行マシンでのレースは初。どのチームがセパンに強いのか、未知のレースだけに予想がつかない面白さがある。また予選方式については、合算方式だと公式発表まで順位が正確に分からないというデメリットがあった。それが分かりやすいノックアウト方式の方が現地観戦に向いていることから、筆者としても歓迎すべき変更である。

さて開幕戦の見どころだが、トヨタ、ホンダ、ニッサンの3メーカー15台で争われるGT500クラスで注目するのは、まずは前人未踏のタイトル3連覇に挑むトヨタのトムス1号車。2年連続で3勝達成といずれも横綱相撲でのタイトル獲得だったが、特に昨シーズンは強さが際立っていた。開幕戦でまず勝利し、その後も最重量ウェイトでの戦いが続きながら一度もポイントを獲りこぼさず、ハンデ半減及びハンデなしのラスト2戦を連勝と、まさに理想のサクセスストーリー。岡山で行われたオフシーズンテストも好調だったことから、今シーズンも強さは継続していると見る。

■チーム体制一新のニッサン、熟成進むホンダ勢も台頭か

ニッサン勢では、長年エースドライバーをつとめてきたロニー・クインタレッリが引退したことで千代勝正高星明誠のコンビに代わったエースチーム、No.23 MOTUL AUTECH Zに注目したい。2人は一昨年まで2年間、NISMOのセカンドチームでコンビを組んでおり、いずれのシーズンも勝利を記録しタイトルを争った実績がある。また、昨シーズン未勝利に終わった大きな要因がミシュランからブリヂストンにタイヤが変わったことでデータが少なかった上、ブリヂストンユーザーが15台中10台いるGT500クラスの中でライバルに比べ理解が浅かったこと。1年間のデータ蓄積と経験を生かし、復活した強力コンビにより今シーズンこそタイトルを争えるのか、開幕戦でその手応えはある程度伝わってくるはずだ。

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昨シーズンが新車両CIVIC TYPE R-GTのデビューイヤーだったホンダ勢も、1年間の熟成により強さが増していると考えられる。その中で注目するのが、新車両のデビュー戦となった開幕戦で早速3位表彰台を獲得し、その後もすべての戦いでポイントを獲得しランキング2位につけたNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴牧野任祐)だ。2020年にタイトルを獲得しているコンビとチームは、新車両のポテンシャルを最も引き出せていたといえるだけに、さらなる進化ぶりを見てみたい。

とはいえ、コース長が短い岡山国際サーキットでの2クラス混走はアクシデント発生の可能性も高く、勢力図は天候にも左右されることから、波乱も十分ありえる。ダークホース的チームが先手を打ってシーズンを面白くする展開も、それはそれで興味深いといえる。

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