今週は阪神競馬場で、第85回桜花賞(GI、芝1600m)が行われる。今年は確たる軸馬不在の混戦ムードが漂う一戦だ。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。
◆【桜花賞2025予想/データ攻略】ビップデイジーとショウナンザナドゥの「買い or 消し」 “厚く買える”伏兵に軸馬級評価も
目次
- 1 ■桜花賞2025 出走予定馬全頭診断
- 1.1 ・1枠1番 ヴーレヴー
- 1.2 ・1枠2番 エリカエクスプレス
- 1.3 ・2枠3番 マピュース
- 1.4 ・2枠4番 ショウナンザナドゥ
- 1.5 ・3枠5番 ボンヌソワレ
- 1.6 ・3枠6番 ビップデイジー
- 1.7 ・4枠7番 エンブロイダリー
- 1.8 ・4枠8番 ウォーターガーベラ
- 1.9 ・5枠9番 アルマヴェローチェ
- 1.10 ・5枠10番 トワイライトシティ
- 1.11 ・6枠11番 ミストレス
- 1.12 ・6枠12番 リンクスティップ
- 1.13 ・7枠13番 チェルビアット
- 1.14 ・7枠14番 ダンツエラン
- 1.15 ・7枠15番 クリノメイ
- 1.16 ・8枠16番 ナムラクララ
- 1.17 ・8枠17番 プリムツァール
- 1.18 ・8枠18番 ブラウンラチェット
- 2 桜花賞2025予想 最新予想コラム一覧
- 3 著者プロフィール
■桜花賞2025 出走予定馬全頭診断
・1枠1番 ヴーレヴー
デビュー以降、直線平坦コースの経験しかない馬。洋芝に冬の京都芝とタフな馬場コンディションを得意とするタイプでもあり、今の阪神芝替わりはマイナスだろう。
・1枠2番 エリカエクスプレス
ほとんど持ったままの新馬戦、2着に3馬身差のフェアリーS。過去2戦は恐ろしさすら感じるパフォーマンスだった。抜けたメンバーが不在のここは上位人気も考えられるが、過去2戦の上がり3Fは36秒0、35秒1。いずれもメンバー中上がり3F4位以下だった点もまた事実だ。普通ではない強さを感じたのは間違いないが、未知の部分も決して少なくない今回。ピンかパーか、そんな立ち位置として捉えたい。
・2枠3番 マピュース
これまで左回りの経験しかない馬。初の右回りかつ関西圏も初めてと、初物尽くしのGIでは不安を抱いてしまう。
・2枠4番 ショウナンザナドゥ
強行ローテにも映った前走フィリーズレビュー。それでも関東遠征後で馬体重プラス10キロと馬体を戻しつつ、上がり3F最速の脚で突き抜けてみせた。2歳時に芝1600mでで3度の1分33秒台があるように、高速馬場はお手の物。押さえ程度には。
・3枠5番 ボンヌソワレ
前走フィリーズレビューは3着。本レースとの関連性が低い傾向にあるだけに戦前の評価は芳しくないが、600m通過33秒2のハイペースを先行して馬券内に残した点は立派だ。鞍上の川田将雅騎手は2020年以降の阪神芝1600mGI成績が【5.1.2.4】馬券内率66.7%。人気盲点のここは食指が動く。
・3枠6番 ビップデイジー
1番人気に支持された前走チューリップ賞は3着。低調なメンバー構成だっただけに評価が難しいが、クラシック出走に不足ない賞金を持っていたことから前哨戦仕様の仕上げだった可能性が高い。この中間は坂路で4F51秒6、ラスト1F11秒8の自己ベストをマークと状態は良好。上位人気が予想される馬との比較で阪神経験があり、前哨戦を使われたアドバンテージを活かすことができれば差はない。
・4枠7番 エンブロイダリー
年明け以降は2戦2勝と成長の跡がうかがえる成績。特に前走クイーンCのパフォーマンスは圧巻で、過去10年の桜花賞において前走マイル重賞で2着に0秒3差以上の勝利を飾った馬は【2.1.2.2】だ。初の関西圏がどうかも、速い上がりを使える点も含めて高評価すべき1頭だ。
・4枠8番 ウォーターガーベラ
河内厩舎のラスト重賞だった前走チューリップ賞。調教師の執念が乗り移ったかのような激走だった。芝1600mは【1.2.1.0】、牡馬混合のシンザン記念も含めて馬券外なし。何らかの印は必要か。
・5枠9番 アルマヴェローチェ
2歳女王がぶっつけ本番での参戦。リバティアイランドやステレンボッシュが勝利を収めた好ローテだが、昨年の阪神JFが京都開催だった点は見逃せない。本馬の父ハービンジャー産駒の阪神芝1600mGI成績は【0.0.0.13】。京都芝1600mGI成績【3.1.1.2】と比べると一目瞭然で、全幅の信頼を置くには至らない。
・5枠10番 トワイライトシティ
アネモネSの勝ち時計は1分35秒7と平凡。一線級との対戦経験もなく、馬券内突入は至難の業か。
・6枠11番 ミストレス
ダートを2戦使われたのちの芝GI戦。強調材料は乏しい。
・6枠12番 リンクスティップ
デビューから3戦すべて京都かつ、きさらぎ賞から参戦と異色のローテを歩む馬。サトノシャイニング、ランスオブカオスと3歳牡馬の上位グループに割って入った内容は立派だった。未知の阪神芝かつ瞬発力勝負になった際の不安こそあれ、何らかの印は必要か。
・7枠13番 チェルビアット
ブリンカー着用後は1→2着と安定した成績。とはいえ前走フィリーズレビューは展開が向いた一戦かつマイル経験もなく、連続好走へのハードルは高そうだ。
・7枠14番 ダンツエラン
前走フィリーズレビューは特に見せ場なく敗戦。変わり身は望み薄か。
・7枠15番 クリノメイ
前走チューリップ賞はインでロスなく立ち回れた恩恵を受けたレース。7枠15番に替わる今回は厳しい戦いが予想される。
・8枠16番 ナムラクララ
3連対はいずれも芝1400m。ナムラクレアの妹にあたる馬でもあり、距離短縮時が狙い目か。
・8枠17番 プリムツァール
芝1600mの持ち時計1分35秒5は平凡と言わざるを得ない。苦戦は必至か。
・8枠18番 ブラウンラチェット
1番人気に支持された前走阪神JFは16着と惨敗。初の関西圏でマイナス12キロの馬体重、タフな馬場コンディションもこの馬には向かなかったのだろう。栗東滞在で臨む点は好材料も、2走前のアルテミスSはイン前有利の展開を活かしきった勝利。8枠18番は試練の枠で、状況としてはかなり厳しい。
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UMAJIN.netより一部編集・転載(2025年4月10日 18:00公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。