■間隙を突いた伏兵の一発を期待
日本馬vs.ゴリアットの構図となりそうな今年のクイーンエリザベスII世C。しかし、帯に短し襷に長しの日本馬3騎に、距離・コースへの不安が残るゴリアット。人気もこの4頭に集中しそうで、妙味ほどの信頼感はない。それならば間隙を突く伏兵の一発を期待せずにはいられない。
その1番手は、ニュージーランドからの遠征馬エルヴェンセドール。連覇を果たした前走のニュージーランドS(GI)をはじめ、3つのGIを含む4連勝と今年に入って絶好調モード。特に芝2000mは【4.0.1.0】と、自身にとって最適な距離だ。初めての香港となるが、ニュージーランド産馬はのちに香港で年度代表馬になるような馬を多く輩出しており、血統背景は馬場と合う。レーティングでもタスティエーラの118に対し、本馬は117。数字の上では実力差はほとんどない。最内1番ゲートから経済コースを通れそうなのもプラス材料だ。
前走の香港ダービーでキャリア初勝利を挙げたキャップフェラも外せない1頭。オーストラリアに在籍していた時には、GIで善戦していたこともあり、芝2000mは【1.1.1.0】と大崩れなし。16年ワーザー、22年ロマンチックウォリアーと、香港ダービーから連勝で当レースを制覇しており、前走をフロック視すると痛い目に合いそう。
もう1頭、バーレーンのカリフを穴で一考。昨夏にはダルマイヤー大賞で、独ダービー馬ファンタスティックムーンを破ってGI初制覇。2走前のネオムターフカップではシンエンペラーの2着に好走しており、日本勢との実力差はない。昨年は香港Cへ遠征しており、シャティンを経験している点もプラス材料。おそらく人気は下から数えたほうが早い位置で、隠れた実力馬が波乱を起こす可能性は十分だ。
クイーンエリザベス2世カップ・買い目
◎(5)エルヴェンセドール
◯(3)タスティエーラ
▲(11)リバティアイランド
△(1)ゴリアット
△(2)プログノーシス
△(9)キャップフェラ
△(4)カリフ
馬連流し(6点)
軸:5
相手:3、11、1、2、9、4
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。