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清水希容、五輪イヤーに向け「悔いなく」 空手「形」は東京五輪で正式種目に

清水希容、五輪イヤーに向け「悔いなく」 空手「形」は東京五輪で正式種目に
(c)Getty Images

空手女子個人「形」の清水希容選手が12月25日にインスタグラムを更新。残りわずかとなった2019年に思いを馳せるとともに、東京五輪代表として迎える2020年への抱負を綴った。

日本空手道連盟は、2020年1月にフランスで行われる国際大会を終えた時点での世界ランキングで、日本勢トップの選手が2位に2000ポイント以上差をつけている場合は五輪代表に内定するとしてきた。

清水選手は11月下旬の『KARATE1 プレミアリーグ』マドリード大会で2位に入り、フランスでの大会を待たずして代表内定となった

今年も残すところ、少しになりました」と清水選手。ついにやって来るオリンピックイヤーに「悔いなく、来年を迎えられる様に、残りの日も練習頑張ります!」と意気込む。

女子「形」は清水希容とサンドラ・サンチェスの二強

清水選手は1993年12月7日生まれの大阪府出身。兄の影響で小学校3年生から空手を始め、2013年には女子「形」史上最年少の20歳で全日本空手道選手権を制覇した。以来、全日本選手権は2019年まで7連覇し、世界空手道選手権でも2014年と2016年に連覇を飾った。

2018年の世界空手道選手権スペイン大会は、地元の声援を受けたスペインのサンドラ・サンチェス選手に敗れ銀メダル。3連覇は逃したが5人の審判による旗判定で1本差の僅差だった。

決勝で鬼気迫る演武を披露したサンチェス選手は初優勝。経済的な事情により20代前半で一度空手から離れたが、スポーツ選手を支援する『LaLigaSportsプログラム』のサポートを受け、32歳にして初めて国際舞台に立った。そして37歳で世界初制覇

サンドラ・サンチェス選手 (c)Getty Images

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現在の女子個人「形」は僅差で清水選手とサンチェス選手が争う二強時代に突入しており、直近の対戦では9月のプレミアリーグ東京大会で清水選手が、11月のマドリード大会ではサンチェス選手が優勝している。

特に東京大会では決勝で互いに「チャタンヤラクーサンクー」を打ち合った末に決着つかず、史上初の再試合が実施される大接戦を制して清水選手が優勝した。

清水希容は羽生結弦を参考に表現力を磨く

東京五輪で金メダルを目指す清水選手には参考にしている選手がいる。ソチ五輪と平昌五輪でオリンピックを連覇した、男子フィギュアスケートの羽生結弦選手だ。

2018年に日テレ系朝の情報番組『スッキリ』に出演した際、清水選手は「表現力とかヒザの使い方とかが勉強になる。フィギュアスケートにはひとつの流れのストーリーがある。構成というか、流れというのは勉強になります」と学びたいポイントを挙げた。

空手の「形」は、同じ「形」を演じてもその「形」に対する演武者の解釈や個性によって別なものが表現される。たとえば清水選手の「チャタンヤラクーサンクー」は動きのキレで魅せるが、サンチェス選手の「チャタンヤラクーサンクー」はダイナミックな動きで観客を沸かせる。

決まった「形」を演じるからこそ、その動きで演武者が何を考え、何を伝えようとしているのかが鮮明になる。

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2017年に行われた清水選手と狂言師・野村萬斎さんとの対談で、野村さんは「デジタルなKATAに対して、アナログな自分がいる」という言葉を用い、所作に自分の存在を載せることを表現。それに清水選手も大きく頷いた。

空手「形」オリンピックルール

「形」は、仮想の敵に対する攻撃技と防御技を一連の流れとして組み合わせた演武。2019年から採用された新ルールでは、7人の審判による30点満点の採点で勝敗が決まる。演武する「形」は、世界空手連盟(WKF)が認定している102種類から選択する。

一度行った「形」を同じ大会で再び行うことはできないため、優勝するためには4種類の「形」を高水準で揃えなければならない。自分が一番自信ある「形」は上位陣との戦いを見越して温存しておきたいが、出し惜しみが過ぎれば早期敗退の可能性もある。

鍛えた肉体と技だけではなく、いつ切り札を切るかの戦略や駆け引きも見どころのひとつだ。

男子「形」は日本の喜友名諒が世界を制圧

女子は清水選手とサンチェス選手の二強だが、男子は日本の喜友名諒選手が絶対王者として君臨する。筋骨隆々とした肉体から繰り出す豪快でありながら繊細な動きは他を圧倒し、世界選手権も3連覇した

向かうところ敵なし状態の喜友名選手は「オリンピックは出場すれば金メダル確実」「全種目の日本人で最も金メダルに近い男」の呼び声も高い。空手「形」は清水選手との男女W優勝に期待がかかる

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