鈴木亜由子、NHK『グッと!スポーツ』に出演 挫折を乗り越え東京五輪内定

女子マラソンの鈴木亜由子選手が12月25日放送のNHK『グッと!スポーツ』に出演する。

東京五輪の選考レース『マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)』で2位に入り、来年の東京五輪女子マラソン代表が内定した鈴木選手は、中学時代に彗星の如く現れ天才少女と呼ばれた。

将来を嘱望された鈴木選手だが高校ではケガに泣き、全国大会での栄冠からは遠ざかる。挫折を乗り越えて再びトップレベルに戻ってきた鈴木選手の経歴を振り返りたい。

中学2年生で全国大会2種目制覇 憧れの小林祐梨子と初対面

愛知県豊橋市で生まれた鈴木選手は、小学校時代に地元の陸上クラブで陸上競技を始めたが、中学では陸上部がなかったためミニバスケットボールの経験を生かしてバスケットボール部に入部した。

バスケットボール部に所属しながら出場した第32回全日本中学陸上競技選手権にて、鈴木選手は女子800メートルと1500メートルを圧倒的な速さで制覇。翌年も1500メートルで連覇して中学最強ランナーになった

中学時代のベストタイムは800メートルが2分8秒、1500メートルで4分24秒、3000メートルでも9分10秒をマークした。

中学生にして「社会人よりも速い」と注目された鈴木選手だが、当時地元テレビ局のインタビューでは「陸上とバスケットボールなら、バスケットボールのほうが好き。将来の夢は体育の先生」と答えている。

そんな鈴木選手が本格的に陸上を始めるきっかけとなったのは、3歳年上の小林祐梨子さんとの出会いだった。陸上強豪校の兵庫・須磨学園高校で活躍していた小林さんは、高校生にして女子1500メートルの日本新記録を樹立したスター選手だった。

憧れの存在と全国都道府県対抗女子駅伝競走大会で初対面し、アドバイスももらった鈴木選手は、小林さんを目標にして本格的な競技活動に入る

(c)Getty Images

高校では2度の骨折と大手術を経験

中学王者の鈴木選手には多くの強豪校からスカウトが押し寄せた。小林さんの母校・須磨学園からも誘いがあった。しかし、鈴木選手は地元屈指の進学校・時習館高校に進学。進路で小林さんの後を追わなかった代わりに、彼女の記録を抜くことで目標にしたいと決意する。

だが、高校に入った鈴木選手を待っていたのはケガとの闘いだった。身長154センチの小柄な体格を目いっぱいに使う豪快なフォームでスピードを追い求める走りに、鈴木選手の身体が悲鳴をあげた。

高校時代は疲労骨折で2度の手術。特に2度目の手術は自分の腰の骨を移植する大がかりなものだった。同じ時期に小林さんは北京五輪の女子5000メートル代表に選ばれる。遠のいていく目標に焦りを感じた日もあった。

鈴木選手が全国の舞台に戻ってきたのは高校3年時。乾坤一擲の思いで走ったインターハイ女子3000メートルで8位に入る。タイムは9分20秒24。中学時代のベストタイムより約10秒遅い時計だが、多くの人に支えられて走ったレースを鈴木選手は印象深いものとして語っている。

(c)Getty Images

故障に悩まされながらも東京五輪内定

名古屋大学に進学した鈴木選手は、インカレの連覇やユニバーシアード女子1万メートル優勝など、再び全国トップクラスの選手として花開く。しかし、故障がちな体質自体は治っておらず、現在に至るまでケガとの闘いが続く

女子1万メートルと5000メートルで代表に選ばれたリオデジャネイロ五輪でも、左足の痛みから1万メートルを欠場し、日程が後ろの5000メートル一本に絞ったが予選落ち。前年の世界陸上では入賞に迫る9位で走り終えた得意種目だったが、ケガのため力を発揮することができなかった。

MGCで2位に入ったあと鈴木選手は「マラソンの怖さを知った」と語った。今回はケガのリスクを避けるため練習で速いタイムは設定せず、距離を走ってきたが「質の面ではまだまだ追い込めると思う」と練習の時点で身体をスピードに慣れさせておく重要性を痛感。

本番のレースに近いスピードで練習を繰り返せば身体への負担も大きくなる。東京五輪でのメダル獲得には、ケガの防止とスピード強化をいかに両立させるかが鍵だ。

(c)Getty Images

ももいろクローバーZのファンで推しは百田夏菜子

プライベートでは、ももいろクローバーZのファンで、特にリーダーの百田夏菜子さんを推しているという鈴木選手。過去に制作されたフジテレビ系のドキュメンタリー番組『出会いのチカラ~ランナー鈴木亜由子~』では、ナレーションを百田さんが務めた。


MGC直前にも、ももクロの『走れ!』を聴いて臨み、見事に東京五輪代表を勝ち取った。

2020年1月5日に東海テレビで放送される『壮だったのか!たけい荘Z 東京五輪を東海地方から盛り上げるZッ!!』では、ももクロと念願の初共演も果たした。

やりきったと思える五輪にしたい

鈴木選手にとって東京は無念に終わったリオ五輪に続く2度目の五輪だが、マラソンでは初挑戦となる。

12月15日に母校・名古屋大学で開かれた壮行会に出席した鈴木選手は、東京五輪に向けて「自分の可能性に挑戦して、やりきったと思える五輪にしたい」と目標を口にした。

「苦しい時に何が力になるかと言えば応援。いろいろな情報もくれますし、支えに走っている」と沿道からの応援にも感謝する。

番組概要

番組名:グッとスポーツ! 今年グッと!きたアスリートは?』

放送局:NHK

放送日時:12月25日 19時30分~20時42分

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