【競馬】アルゼンチン共和国杯 馬体から軽視禁物な馬とは

11月8日(日)は東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(GII、芝2500m)が行われます。

有馬記念まで続く秋のGIロード真っ只中に行われるGII戦ではありますが、2008年の優勝馬スクリーンヒーローは続くジャパンCも制覇、2015年の優勝馬ゴールドアクターは続く有馬記念を勝ちグランプリホースに輝くなど、後のビッグレースに直結する重要な前哨戦です。

距離適性の探り方

先週の天皇賞・秋では出走馬の縦(成長、仕上がり)の比較を重視し、キセキをピックアップしましたが、アルゼンチン共和国杯では出走各馬の横(適性、仕上がり)の比較を重視したいと思います。

出走各馬の馬体写真を見比べることで、1頭1頭の適性を見抜き、最も舞台適性が高い馬を見つけ出すことができると私は考えます。

今回は2500mという「長い」距離で行われることもあり、長距離戦の適性が高い馬をレース前にチェックしていきましょう。

馬体から距離適性を探る上で見るべきポイントは主に2箇所です。

(1)脚の長さ
(2)胴の長さ

写真を見比べて「あれ?この馬は脚が短く見えるな」と感じる馬がいれば長距離戦(2100mを超えるレースは長距離に区分されます)のレースでは要注意です。

脚の短い馬の代表例が現役時代はJBCスプリント(ダート短距離戦の最高峰レース)を制し、種牡馬としてもヒガシウィルウィン(ジャパンダートダービー勝ち)、ラブミーチャン(全日本2歳優駿勝ち)など多数の活躍馬を輩出したサウスヴィグラス。

昨年のスプリンターズS(芝短距離戦の最高峰レース)を優勝したタワーオブロンドンも脚が短い馬でした。

一方、脚の長い馬の代表例が2018年にJRA最長距離となる3600mの重賞ステイヤーズSを優勝したリッジマン。

この馬は短距離戦(1300m以下のレースは短距離に区分されます)に強いスウェプトオーヴァーボードの産駒ですが、超長距離重賞を制す異例の活躍を見せました。

脚の長さについてまとめると短ければ[短距離向き]となり、長ければ[長距離向き]となります。後述する胴の長さよりも優先すべきポイントです。

続いて胴の長さですが、基本的に胴(背)の短い馬であれば[短距離向き]となり、長い馬であれば[長距離向き]となります。

胴の長い馬の代表例が、現役時代にディープインパクト(史上2頭目の無敗3冠馬)を破り有馬記念に優勝したハーツクライ。種牡馬としてもスワーヴリチャード(ジャパンC勝ち)、シュヴァルグラン(ジャパンC勝ち)など長距離戦に強い馬を出しました。

ただ、胴が長くても肝心の脚が短いと距離は保ちません。前述のサウスヴィグラスがとても分かりやすい例です。

勝つに相応しい馬体

さて、距離適性の探り方をまず述べさせていただきましたが、脚が長く、胴も長い馬がいれば長距離をこなせると判断できます。

加えて長距離を得意とする馬は短距離を得意とする馬に比べて全体的にシュッとした体付きをしています。

これは人間に置き換えて短距離のランナーと長距離のランナーの肉体を見比べていただくと分かりやすいと思います。

筋肉隆々のマラソンランナーを見かけることはほぼありません。

以上の考え方から『脚が長く、胴も長く、シュッとしている馬』がいれば完璧ですが、今年のアルゼンチン共和国杯でピッタリと当てはまるのがここまで重賞3勝と出走メンバー中実績最上位のユーキャンスマイル(牡5、栗東・友道)です。

もしお手元に週刊競馬誌があればユーキャンスマイルの馬体写真をじっくり確認して見て下さい。

他の馬に比べて胴が長く見え、体がシュッと引き締まっているのが分かると思います。

また、脚の長さから注目に値するのが昨年の弥生賞優勝馬メイショウテンゲン(牡4、栗東・池添兼)

この馬は明らかに他馬と比べて脚が長く、今年のダイヤモンドS(芝3400m)、阪神大賞典(芝3000m)で好走しているようにスタミナ自慢の馬と言えるでしょう。

アルゼンチン共和国杯は脚、胴ともに長い所謂ステイヤーの台頭が目立つレースです。前日12時段階で5番人気のメイショウテンゲンですが、この舞台では軽視禁物と言えますね。

騎手データの平均着順と平均人気の“差”に今回も注目

最後にアルゼンチン共和国杯の気になる騎手データをご紹介。

過去20年「アルゼンチン共和国杯」騎手データ

データは過去20回、かつ5回以上の騎乗経験がある騎手を集計対象としています。先週の天皇賞・秋では平均着順と平均人気の“差”に注目しましたが、今回もこのギャップから注目騎手を探るのが面白そうです。

平均人気に比べて、平均着順の数字が小さくなればなるほど、人気以上に好走した機会が多いことを表します。

人気薄の一発であれば2004年の当レースで8番人気のテンジンムサシを2着に導いた石神深一騎手(最強障害馬オジュウチョウサンの主戦騎手)ですが、残念ながら今年は騎乗がありません。

そこで今回は京成杯勝ちのラストドラフト(牡4、美浦・戸田)に跨る戸崎圭太騎手に注目しました。

2013年には7番人気のアスカクリチャンを1着に導き、2016年アルバート(4人気2着)、2017年セダブリランテス(3人気3着)、2019年タイセイトレイル(5人気2着)と堅実な騎乗が光っています。

しかしながら騎乗馬が過剰な人気とならない点が大きなポイントですね。

戸崎騎手が今年騎乗するラストドラフトも前日12時点では6番人気と妙味十分の存在。

先週ピックアップしたダノキングリーは残念な結果となってしまいましたが、ラストドラフト&戸崎騎手は人気以上の成績を残せるのか注目してみて下さい。

著者プロフィール
<文・伊藤大輔(いとうだいすけ)「UMAJIN.net」編集部>
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。

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