セカンドシーズンが開幕し、2年目を迎えたD.LEAGUE(Dリーグ)は11月25日、ラウンド2の戦いを終えた。昨年同様、今年度も約2週間隔で毎回違うダンス・ナンバーを踊ってゆくという、まことに過酷なスケジュールで全12ラウンドが実施され、来年6月には頂上決戦となるチャンピオンシップが開催される予定だ。
今年度から会場となった有明の東京ガーデンシアターには、コロナ対策で観客数や応援方法の制限はあるものの、チケットを手に入れた多くのダンスファンが詰めかけ、ステージには彼らの熱い視線が注がれた。そして、昨年のファーストシーズンの開幕から、Dリーグのシステムやサービスまでが様々に進化したが、やはり何よりも、このラウンド2でも全Dリーガーそれぞれが放つオーラがさらに増し、存在感が強固になっていることを感じることが出来た。
◆神田勘太朗が語る『D.LEAGUE』 世界初日本発プロダンスリーグ 「ダンスは世界を獲れる」
■登場シーンも結果を左右する重要なファクター

SEGA SAMMY LUX(C)D.LEAGUE 21-22
各チームはすべてのラウンドで毎回演技の前に、まずはステージから延びている長く大きな花道の先端に登場し、各人がそれぞれのやり方で観客と目の前の“VRカメラ”に自らの存在をしっかりとアピールした後、ステージ中央に向かう。そして、8人が揃ったところで一度暗転。バックスクリーンに映し出された巨大な数字と共にカウントダウンが始まり、約2分の“本番”に入ってゆく。
しかし実は、この本番前の登場シーンからすでに“パフォーマンス”は始まっており、ここでいかに観る者の心を掴めるか、自分たちの世界に惹き寄せられるかが、その後の結果を左右する重要なファクターにもなっている。チームはそれをよく理解しており、この登場場面から気迫や重みが違うのだ。
ラウンド2で優勝を果たしたSEGA SAMMY LUXは、ジャッジ・ポイントもオーディエンス・ポイントも高得点を叩き出し、文句なしの1位に輝いたが、やはり最初に花道で、今回のSP(ゲスト)ダンサーであるRAARを登場させる“掴み”から素晴らしく、そのまま続く、煌めきとゴージャスなボリューム感に満ちたダンスを楽しく観ることが出来た。優勝後のインタビューでも、「衣装優先で振りを考えた」と言っていたようにコスチュームも今までにはなかった秀逸さで、“観客を惹きつける術をよくよく考えぬいている”と思わされる演技は圧巻であった。
また、総合2位に輝いたKOSE 8ROCKSも、レギュラー・エンターテイナージャッジのテリー伊藤氏が「8ROCKSは本当にいいよね!とにかく熱い!お祭り気分になれて、一番ワクワクさせてくれる」と語った通り、パフォーマンスを見ながらも思わず一緒に身体を動かしてしまうような強いバイブレーションが伝わってきた。おそらく全チームで一番運動量も多く、リーダーのISSEIが「僕たち毎回、命削ってます!」と言うだけあり、肉体の限界に挑戦しているような大技が次々と繰り広げられ、今回も、究極のスポーツエンターテインメントである“ブレイキン”の真髄を見せてくれた。

KOSE 8ROCKS(C)D.LEAGUE 21-22