ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は25日(日本時間26日)、敵地でのカンザスシティ・ロイヤルズ戦に「1番・DH」で先発出場し、第2打席に右翼へ二塁打を放った。低迷するチームの中でひとり気を吐く大谷について、現地ではトレード話が依然沸騰中。8月2日(同3日)に期限を迎えるトレード市場。どんな結末が待っているのか、予断を許さない状況となっている。
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■「どんな見返りが得られるか確認すべき」
米スポーツサイト『The Athletic』は、「売り手や買い手、トップターゲットに関する25の質問に答える」と題し、読者から寄せられたトレードを巡る25個の質問に答えた。移籍が噂される選手の動向やチームのスタンスなど内容は多岐に渡っているが、その中には当然、大谷に関するものもあった。
「エンゼルスは“部屋の中の象”(タブーな話題や重大な問題)であるショウヘイ・オオタニの契約延長をどうするつもりなのか。彼をトレードに出して、予算に柔軟性を持たせるのでしょうか」。
この質問に対して、シンシナティ・レッズやワシントン・ショナルズの元GMで解説者のジム・ボーデン氏が回答。「エンゼルスのファンは聞きたくないでしょうが、クラブはオオタニのトレードを検討し、どんなとんでもない見返りが得られるか確認する必要があります。これは、一つの大きなトレードでチームを再構築できる機会です。オオタニを手放すのは非常に難しいが、エンゼルスの現状を鑑みた上で、勝ち組になることを考えるのであれば、ユニコーンをトレードに出して、どれだけ大きなものを得られるか調べるというのは理に適っている」。
元GMの立場として、チームが大谷のトレードを検討するのは当たり前とした。
■大谷移籍は今夏ではなく、今シーズン終了後
大谷を取り巻く最新の情報は、同サイトのケン・ローゼンタール記者が伝えており、同記者によると「エンゼルスのもとには複数の球団からオオタニについて問い合わせが舞い込んでおり、ペリー・ミナシアンGMがその申し入れを検討している」という。その上で「エンゼルスが交換要員として他球団に求めているのは、若手有望株ではなくメジャーで実績のある選手」と記した。チームとしては、できるだけ早くポストシーズン進出という目標を達成するために、見返りとしては計算できる選手を求めている模様。
そうであれば、大谷と同様、今夏注目の的となっている若き天才打者ファン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)とのトレードが頭に浮かぶが、これは実現困難なようだ。エンゼルスが実績のあるスター選手を交換要員に求めているのに対し、ナショナルズは根本的にチームを作り直すために複数の若手有望株やメジャーでの出場時間が短い選手を交換要員として要求している。エンゼルス側がソトで満足したとしても、大谷はナショナルズの求める選手像と合致しないため、トレード成立には至らないという見立てが有力となっている。
ローゼンタール記者は「今夏ではなく、今シーズン終了後」を大谷の移籍時期と予測しているが、果たしてどうなるか。過去には試合中にトレードが成立し、ゲームの最中にその対象選手が球場を去るということもあった。メジャーの移籍はギリギリまで分からないのが常だ。
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文●SPREAD編集部