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【全豪オープン】西岡良仁、ベスト8なるか…その戦いを振り返る グランドスラム初のベスト16は日本男子3人目の快挙

 

【全豪オープン】西岡良仁、ベスト8なるか…その戦いを振り返る グランドスラム初のベスト16は日本男子3人目の快挙
全豪オープンで自身初の4回戦進出を決めた西岡(C) Getty Images

西岡が強い!

全豪オープン5日目、日本のエース西岡良仁は全豪オープン31シードとして3回戦に登場。65位のマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)を7-6(6)、6-3、6-2で退け、グランドスラム初の4回戦へ進出した。

ツアー大会100勝目、グランドスラム初のベスト16進出、そして日本男子選手が全豪オープンで4回戦に進出するのは2019年の錦織以来の快進撃となった。昨年末、自身のYouTubeで「グランドスラム2週目」と掲げた目標に向け、確実に歩みを進めている。

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■マクドナルドのフォア封じに成功

昨日の3回戦では、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)を破った同い年のマクドナルドが立ちはだかった。これまでの対戦は4勝1敗、今季開幕戦となったアデレード国際の2回戦では西岡がストレートで勝利している。マクドナルドは、強烈なサービスとフォアハンドを武器に速攻展開が得意な選手だ。あのナダルでさえ彼の攻撃力に押され、受け身にさせられることが多かった。

序盤、西岡もマクドナルドの最速200キロのサーブに加え、コートの4分の3以上を得意のフォアでさばかれる。一進一退の攻防戦のなか、大きなポイントになったのは1stセット3-3でのやり取りだろう。西岡はサービスゲーム15-40のピンチを迎えた。ここまでの内容からしても、明らかにマクドナルドは好調だ。フィジカルの強さが持ち味の西岡を左右に振り切り、エースを量産。このゲームをブレークされれば流れを持っていかれる。それは見る者だけでなく西岡本人も感じていただろう。

試合前に「マクドナルドのフォアハンドを打たせないこと」と言ったように、西岡の巧みな緩急がバックサイドの脇に落ち始める。何度か同じように相手のバックにボールを集めることに成功すると、わずかにマクドナルドの動きが鈍り出した。その手応えをすかさず好機と見て、西岡はあるゲームを仕掛けた。

果たして「どっちが先に展開するか」そんなメッセージを含ませたラリーが続けられる。これまでに速攻に力をかけていたマクドナルドが様子を伺うように、それは心理戦に入った証拠だった。この時こそ西岡の選択肢の多さが光る。自ら先にオープンコートへ先手を打つと、すかさずネットに詰めボレーでフィニッシュを見せる。次はラリー中に逆を突いてはさらに相手の思考をかき乱した。そしてマクドナルドが「自分らしく」と攻撃パターンに徹するほど、西岡のバックハンドが張り詰めた空気を切り裂き、自身のペースへ流れを掴みだした瞬間だった。

■1勝2敗のハチャノフに挑む

このゲームを3度のデュースの末に奪取すると、タイブレークを優位に進め1stセットを奪取。2ndセットからはマクドナルドに怪我の影響もあったが、西岡は常に状況を見図りながら攻守の手を緩めることはない。終わってみれば完勝だった。ホッとするような笑顔を見せ、グランドスラム27度目の挑戦で初のベスト16入りを果たした。

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西岡は試合後に「(相手の怪我があり)喜びにくいのが本心」とゲームを振り返りながらも、ストレートで勝利したことには「ラッキーな部分もある」と続けた。4回戦では20位のカレン・ハチャノフ(ロシア)と対戦する。まだ対戦相手が決まっていなかった試合終了時は「どっちが来ても、僕がディフェンスにまわる回数が増える。ここからは気合いの勝負。チャンスはあると思う」と気持ちを入れ直していた。

ハチャノフとは過去に1勝2敗。3年前のここ全豪オープンでの対戦を皮切りに、東京オリンピック1回戦で敗戦を喫した相手である。ただ直近の対戦ではワシントンでは7-6(2)、7-6(1)の激戦を制し、勝利を手に入れたのは西岡だ。自身のキャリア最先端を走る日本のエースは、大一番の勝負となる4回戦に挑む。

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著者プロフィール

久見香奈恵●元プロ・テニス・プレーヤー、日本テニス協会 広報委員

1987年京都府生まれ。10歳の時からテニスを始め、13歳でRSK全国選抜ジュニアテニス大会で全国初優勝を果たし、ワールドジュニア日本代表U14に選出される。園田学園高等学校を卒業後、2005年にプロ入り。国内外のプロツアーでITFシングルス3勝、ダブルス10勝、WTAダブルス1勝のタイトルを持つ。2015年には全日本選手権ダブルスで優勝し国内タイトルを獲得。2017年に現役を引退し、現在はテニス普及活動に尽力。22年よりアメリカ在住、国外から世界のテニス動向を届ける。

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