「お酒を飲みながらできるスポーツ」。
そう聞いてどのスポーツか、思いつくだろうか。
スポーツは基本的に身体を動かすことが前提にあるため、アルコールを摂取しプレーすることは、負担がかかり危険と思われる。
一般的に、お酒を飲みながらするのは「スポーツ観戦」というイメージが強く、仲間や友人などとワイワイ盛り上がる場や要素としてスポーツが存在している。一部、ゴルフにおいては、一杯飲んだ後にプレーする人もいるようだが…。
実は一つだけ我々の身近なもので、気軽にできるスポーツがある。
それはダーツだ。
◆ダーツライブが語る「年齢・性別・身体」の垣根を超えたスポーツダーツの可能性
■酒場で生まれた唯一のスポーツ
ダーツは元々、酒場から生まれたスポーツ。イギリスでは百年戦争(1337-1453年)終結後、バラ戦争が勃発(1455-85年)、この戦時中酒場にいた兵士たちが余興でワイン樽めがけて矢を放つようになったことがダーツの始まりと言われている。これがダーツが酒場で生まれた唯一のスポーツと言われるゆえんだ。
ダーツは「究極のマインドスポーツ」とも言われ、プロの大会でも緊張を和らげるためにお酒を飲みながらプレーすることが許されている。なかにはアルコールが苦手なのに無理をしながら飲んでプレーしている人もいるほどだ。
そんなお酒と親和性が高いダーツをスポーツと捉えている人は少ないのではないか。
■ダーツのイメージと市場規模
身近で手軽にお酒を飲みながらできてしまうが故に、遊びや娯楽としてのダーツのイメージが強く、近年ではゲームセンターやマンガ喫茶などにも設置されていることから、イメージはより一層、娯楽に近いものになっている。
こうした環境のせいか市場規模は約640億円と他のスポーツと比較すると少し見劣りするものの、競技人口は約600万人。サッカーの競技人口が約436万人、野球が約384万人(いずれも笹川スポーツ財団による公表値)と比較しても、圧倒的に競技人口が多いことがわかる。
スポーツとして認知されているかはさておき、実は日本国内における競技人口の上位に入るスポーツなのである。身近な環境になったことや年齢を問わず老若男女が同じ条件で楽しめるのも競技人口が多い要因の一つだろう。
ダーツがスポーツとして認識されるにはどんなことが必要なのだろうか。
■スポーツとしてのダーツ未来
ダーツには二つの顔があると思う。それはスポーツとしてのダーツと、娯楽としてコミュニケーションツールとしてのダーツである。
スポーツとしてのダーツはすでに『JAPAN SOFT DARTS』や『PERFECT』といった大会があり、プロ選手が出場し、互いの技能を競い合う環境やインフラが整備され確立されている。
そしてもう一つ、娯楽としてコミュニケーションツールのダーツもまた、先に述べたように環境やインフラが確立されている。
つまり、どちらのファクターも環境やインフラが整備されている状況ではあるが、この二つが融合している接点は「ダーツ」という共通ワードのみ。
スポーツとしてダーツを認識させることが重要ではないが、スポーツを扱うメディアとして未来を考えた際に、どう取り組むとスポーツとしてのダーツ化学反応が起きるのか。
コミュニケーションの中にスポーツ要素である「競う」「結果を予想する」といったことを取入れていくと、スポーツとして認知が高まり、ダーツをする人達がスポーツをしているんだという認識に変わっていくのではないのだろうか。
◆仙台フォーラスに大型ゲームバー「GameBar LETTY 仙台フォーラス店」がオープン予定
◆宮城県岩沼駅前にダーツバー「FOODS&DARTS BAR GO ON 」がオープン
◆沖縄県 ドン・キホーテ国際通り店最上階に食と音楽が融合した、エンターテイメントフードホール「TOP TREE」がオープン決定
文●SPREAD編集部