「自分から教えることはない」田中ウルヴェ京の語る「メンタルトレーニングとは何か?」

1月29日、都内にて、社会のために有意義な活動を続け目覚ましい功績をあげた女性を表彰する「エイボン女性年度賞2018」の授賞式が行われた。

受賞部門は「大賞」「教育賞」「スポーツ賞」「芸術賞」「ソーシャル・イノベーション賞」の5つのカテゴリーに分けられている。

「スポーツ賞」は元女子アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)選手で現在はメンタルトレーニング上級指導士の田中ウルヴェ京さんが受賞した。

田中さんは1988年ソウルオリンピックのシンクロ・デュエットで銅メダルを獲得。現役を退いてからは各国の代表コーチを歴任、現在はメンタルトレーニングの指導者として様々な競技のトップアスリートのメンタルに関わっている。

また報道番組コメンテーターとしてもマルチに活躍している。そんな田中さんに、今回の受賞にあたっての気持ちや活動内容について話をうかがった。

メンタルトレーナーとして活躍の場を広げる

現在、田中さんはメンタルトレーニング上級指導士として活動中。

アスリートのメンタル面の指導を行い、サッカー女子日本代表のなでしこジャパンや、パラリンピック男子車いすバスケットボール日本代表のメンタルコーチをしている。

「メンタルトレーニング」とは「自分自身に向き合えること」

アスリートだけではなく、一般企業での研修や講演会なども行う田中さん。「メンタルトレーニングとは何か?」という質問に対して、「自分自身に向き合えること」と語った。

しかし、話を伺っている中で「指導をするにあたっては、自分から教えることはない」と驚くような発言も。田中さんは、強い意志を込めるかのような口調でこの言葉の意味を話してくれた。

田中さんは「様々な学術的な根拠に乗っ取り、一緒にトレーニングを行う事が大事」と、決まった流れの教え方で指導を行わないことを強調。

選手の個性や特徴によってトレーニングの内容が異なるため、一緒にトレーニングを行いながら指導を考えることもしばしばだそうだ。

「究極は、指導を受ける方が自分自身と向き合えるようにすること」と、アスリート自身がメンタルとの向き合い方を身につけられるように手助けすることこそがトレーニング内容であると明かす。

メンタルトレーニングは、人によって目的が違う。そのため、本来は1対1でその人の望むメンタルトレーニングを作っていくものだ。

しかし。チーム全体でメンタルトレーニングを導入していくというときには、選手によって「今は向き合いたくない」「メンタルトレーニングってなんか胡散臭いイメージ」といった言葉を口にすることもあるらしい。

しかし、田中さんはそういった意見を否定するのではなく、「自分も選手時代は胡散臭いと思っていた」「向き合いたくない自分、それはそれでいい」ということを伝えるという。

「いつまで向き合わないことにしようか」「私もメンタルトレーニングなんてしたくないっていっていた時期もあった」といった言葉をかけ「メンタルの作り方に正解はないので、その人ならではの本当の気持ちを知ることこそが大切である」と田中さんは考えている。

イタズラではないかと思っていた受賞

受賞の知らせが、田中さんの経営する会社のホームページにある問い合わせフォーム宛に届いていた時、すぐには信じられず、最初は「質の悪いイタズラなのではないか?」と思わず考えてしまったそうだ。

現役時代には多くの賞を受賞した田中さん。現役を引退し30年経過した現在は「表立って成果を出した自覚は無かった」という。

「表で成果を出す方のバックアップ」としてメンタルトレーニングを行っていたため、自身の功績が讃えられるとは考えもしなかったそうだ。

この受賞が嘘ではなく本当のことだとわかった田中さんは、「信じられないくらい嬉しかった」と笑みを浮かべながら語った。

選考委員、有森裕子との交友関係


田中さんは、選考委員の1人である元マラソンランナーの有森裕子さんとプライベートでも仲がいい。しかし、有森さんと親しくなったのはここ数年でのことであると明かしてくれた。

仲良くなったきっかけは、2人が国際オリンピック委員会のメンバーに選ばれたこと。ほぼ同じタイミングでメンバーに選出され、年齢が近かったこともあり、共に会議などに参加する中で仲良くなったとのことだ。

有森さんと田中さんが一緒にいると、まわりからは「派手さ」が似ていると言われるそう。田中さんはこのことについて非常に喜んでいる。

プライベートでは有森さんの自宅に招待されて手料理を振る舞われたり、一緒にお酒を飲んだりというエピソードも。「飲むとすぐに忘れちゃう」と語る田中さんだが、有森さんに手料理を振る舞われたときのことは鮮明に覚えていた様子だった。

授賞式でも有森さんは「彼女の名前を改めてフルネームでさん付けして呼ぶのは今日が初めて」と嬉しそうに語っていた。お互いの仲の良さがにじみ出るシーンでもあった。

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https://spread-sports.jp/archives/16857

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