サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有が9日(日本時間10日)、敵地でのコロラド・ロッキーズ戦に先発登板。5回1/3を投げ、5安打4失点で今季5勝目をあげるとともに、メジャー通算100勝目(日米通算193勝)に到達した。試合はダルビッシュを強力援護したパドレスが9-6で勝利、連勝を飾った。
◆【実際の画像】野茂英雄以来の100勝となるダルビッシュ有の偉業をMLB公式サイトも祝福
■球団公式も日本語で祝福
初回、味方打線から3点の援護を受けたダルビッシュ。1回は3者凡退で退け、無難な立ち上がり。その後、3回に1失点するものの要所を締める投球を披露。“ピッチングニンジャ”の愛称で知られる投球分析家ロブ・フリードマン氏も「ダルビッシュ、えげつない87マイル(約140キロ)のスイーパー」とつづり、称賛した。
粘投を続けたが、6回に3安打を浴び、1点を失ったところで降板。2番手トム・コスグローブが残した2走者を返したため、ダルビッシュは4失点となった。
それでも、この日はパドレス打線が活発。マニー・マチャドやフェルナンド・タティスjr.ら看板打者に本塁打が飛び出すなど15安打を浴びせ、9-6で振り切った。
今季5勝目をあげたダルビッシュは、野茂英雄(ロサンゼルス・ドジャースなど)の123勝に続き、日本人投手2人目のメジャー通算100勝を達成。パドレス公式SNSは「メジャー100勝おめでとう」と日本語でつづり、祝福した。
■妻・聖子さんも「おめでとう」
ダルビッシュは試合後、100勝について「非常に大きな意味がある」とし、その理由について「それは自分がこれほど長い間プレーし、チームメートとともに戦い、勝利を積み重ねてこられたということを示しているから」と語り、メジャー12年目で達成した偉業を振り返った。また、妻で元レスリング世界女王の山本聖子さんも自身のSNSを更新。「おめでとうパパ」と記し、偉業を伝える米メディアの画像とともにアップした。
パドレスのボブ・メルビン監督も「100勝は立派なひとつの実績だ。彼は数多くの功績を持っているが、日本でも長く活躍した彼にとって、100勝は見事な節目となる数字だ。だから、彼はどちらのリーグでも一流の投手だ」と、ベテラン右腕が成し遂げた記録を絶賛。その上で「私は彼が100勝で満足することはないと確信しているよ」とコメントし、さらなる白星積み上げに期待した。
この試合は、コロラド州デンバーの「クアーズ・フィールド」で行われた。同球場は標高1マイル(約1600メートル)の高地にあるため気圧が低く、空気抵抗が少ないことから打球がよく飛び、打者有利と言われる。ただ、1996年9月17日に野茂が日本選手初のノーヒットノーランを達成したスタジアムでもある。その場所でダルビッシュが野茂に続く100勝目を挙げた。そして、野茂は現在、ダルビッシュが所属するパドレスのアドバイザーも務めている。打者天国の環境も、日本人投手にとっては良い巡り合わせがあるようだ。
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◆【スポーツ回顧録】ファンの度肝を抜き続けた野茂英雄のメジャー100勝達成
◆日本人投手メジャー通算勝利数10傑 2023年6月10日現在
文●SPREAD編集部