イタリア・セリエAの開幕節が現地20日(日本時間21日)、各地で行われた。今季からラツィオに加わった日本代表MF鎌田大地は、レッチェ戦でいきなり先発デビュー。得点に絡むことはできなかったものの中盤でゲームをコントロールし、後半10分までプレーした。試合はラツィオが前半26分に先制したが、終盤に失点を重ねて1―2で逆転負け。鎌田のセリエA初陣を白星で祝うことはできなかった。
◆【実際の映像】鎌田大地、デビュー戦は上々、合流してから短期間でもスムーズな連携を見せる!
■チーム公式SNS「デビューの夜」と祝福
ラツィオは4―3―3の布陣で、鎌田は右のインサイドハーフに入った。ビルドアップに参加しつつ、自らもペナルティーエリアへの進入を試みるなど随所に持ち味を発揮。レッチェの激しいプレスに戸惑うこともなく、攻撃の組み立てに貢献した。
すると、チームは前半26分、MFルイス・アルベルトの左からの折り返しにFWチーロ・インモービレが合わせて先制に成功した。
チームに加入してから2週間ほどの鎌田はコンディション的にベストではないため、後半10分に交代。前日会見でマウリツィオ・サッリ監督が「90分は無理だろう」と話していた通り、ピッチを早めに退くことになったが、チームメートとの連携は総じてスムーズであり、存在感を示したデビュー戦となった。
ラツィオの公式インスタグラムは、鎌田のプレー写真に「デビューの夜」と書き添えて投稿し、日本から来たサムライの門出を祝った。
■指揮官、敗因は「守備陣に問題あった」
試合は鎌田の交代後に暗転。後半40、42分と失点を重ね、リードを守り切れず逆転負け。サッリ監督は「後半は2-0にできそうな場面が2、3回あったが、試合をひっくり返された。後半は守備陣に問題があった。チームとしての守備ができていなかった。後半に見られたような態度は受け入れられない」と怒り心頭。鎌田交代後に逆転されたことについては「新しく投入した選手もピッチに残った選手も良くなかった。鎌田ら特定の選手だけに焦点を当てるのは短絡的だろう」と話し、鎌田交代と敗因との“因果関係”については否定した。
鎌田が新天地で求められるのは、中東サウジアラビアへ旅立ったセルビア代表セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチの穴埋め。昨季まで攻撃の中心を担っていたセリエA屈指のMFの代役が、鎌田に託されたミッションということになる。
昨季2位チームの攻撃をけん引することになった鎌田について、先制点を挙げたインモービレは「彼はセルゲイとはかなり違う。必然的にチームも変わるだろう。(鎌田以外にも)新しい選手が加わり、彼らの特長によって昨季とは違うチームになる。急いで修正に取り組まなければならない」と話し、敗戦を糧に新加入選手と既存選手の融合に取り組む姿勢を見せた。
ラツィオは次節(現地27日)にホーム開幕戦でジェノアと対戦する。鎌田は本拠地デビューを飾ることができるのか。連敗を避けるためにも好パフォーマンスが期待される。
◆【実際の映像】鎌田大地、デビュー戦は上々、合流してから短期間でもスムーズな連携を見せる!
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文●SPREAD編集部