サンディエゴ・パドレスは28日(日本時間29日)、ダルビッシュ有が右肘の炎症のため、15日間の負傷者リスト(IL)に入ったことを発表した。あと4勝に迫っている日米通算200勝は、来季以降に持ち越される可能性が高くなった。
◆ダルビッシュ、右肘の炎症で15日間のIL入り 日米200勝まで残り「4」も…球団発表
■前回は不快感を覚えながらの投球
IL入りしたダルビッシュについて、ボブ・メルビン監督は「少なくとも2回の先発を飛ばすことになる」とした上で、その後については28日の午後に行われる再検査の結果を受けてから決めることになり、「多くの情報を得るまで、どうなるか本当に分からない」と語った。
複数の米メディアによると、ダルビッシュは現地25日のミルウォーキー・ブルワーズ戦に先発登板したが、降板後に疲労を訴えていたそうで、指揮官も不快感を覚えながら投げていたことを認めた。「彼はしばし肘を振る動作をするが、前回登板ではその動きが少し多かったかもしれない。そして、その翌日、彼はこれまでとは違う痛みを感じた。そこで、私たちはこれに対して先手を打ち、対処しようとしている」と話し、ここ数日の流れを明かした。
パドレスはワイルドカード圏内まで7.5ゲーム差となっており、プレーオフ進出は厳しい状況。今季10勝を挙げているジョー・マスグローブもすでにIL入りしており、そこに追い打ちをかけるようにダルビッシュ離脱が発生し、一層窮地に立たされた。
■巻き返しへチームは復帰を期待
遊撃手のザンダー・ボガーツは「離脱している選手はビッグネームたちだ。ダルビッシュのニュースを聞いた瞬間、“なんてこった”と思ったよ。大打撃だ」と衝撃を口にした。
それでもプレーオフ進出の希望がわずかながら残されている現状を鑑み、MLB公式サイトは「もし、パドレスがワイルドカード争いで巻き返した場合、健康になったマスグローブやダルビッシュを起用する選択肢は持っておきたい。今のところ、球団はそのプランで進めるだろう」と記し、チームとしては2人のローテーション投手の復帰を前提に考えていると指摘した。
メルビン監督も「彼は以前にもケガを抱えながら投げてきた選手だし、少なくとも私がここで指揮を執っている間、いつも投げてきた。シーズンも終わりに近づいており、彼はこれまでたくさん投げている。そんななかで、彼に対して少し慎重になろうと思っているだけだ」と軽症で済むことを期待した。
地元紙などはプレーオフ進出が難しくなっていることを踏まえ、「今季は無理して登板させることはない」という論調だが、果たしてどうなるか。再検査の結果に注目が集まっている。
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文●SPREAD編集部