ア・リーグ西地区で優勝争いを展開するテキサス・レンジャーズとヒューストン・アストロズの一戦が6日(日本時間7日)に行われ、ジャスティン・バーランダーとマックス・シャーザーというメジャー屈指の大エースがそろって先発した。シャーザーが3回7失点でマウンドを降りたのに対し、バーランダーは7回2失点で今季11勝目。剛腕対決はバーランダーに軍配があがった。3位レンジャーズは本拠地で同一カード3連敗を喫し、1位のアストロズとは3ゲーム差となった。
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■剛腕対決はバーランダーに軍配
この試合が始まる前まで、39歳シャーザーは通算213勝を挙げ、サイ・ヤング賞を3度受賞。対する40歳バーランダーは通算254勝で、こちらもサイ・ヤング賞3度の実績を誇る。押しも押されもせぬメジャー屈指の剛腕2人が、キャリア初となる直接対決に臨んだ。
しかし、試合はまさかの展開。投手戦が予想されるなか、シャーザーは1回にヨーダン・アルバレスに2ランを浴びると、2回にもマイケル・ブラントリーにソロ本塁打を許すなど苦しい序盤。立ち直る兆しが見えないまま、3回にはホセ・アブレイユに満塁弾を喫し、3回7失点で降板した。
バーランダーも1回、1番マーカス・セミエンにいきなりソロを許したが、その後は修正。結局7回2失点でまとめて今季11勝目をマーク。チームの3連勝に貢献した。
KOされたシャーザーは試合後、「力強いボールを投げることができなかった。前回(現地1日)のミネソタ・ツインズ戦も似たような問題があったが、その時は正確に投げることができた。しかし、今日はうまくいかなかった」と肩を落とした。
一方のバーランダーは「マックスと対戦する以上、明らかにタイトな試合になると思っていた。早い回に点を取ってくれたのはうれしい驚きだったし、私は先頭のセミエンに本塁打を打たれた後、落ち着くことができた」と振り返った。
■スイープ許したレ軍、大失速
両右腕は2010年から2014年までデトロイト・タイガースの2枚看板として活躍。その後、お互いに移籍したが、今季はシャーザーのいるメッツへバーランダーが入ってきたことで9年ぶりに同僚となった。しかし、不振に陥ったメッツはメンバー再編のために今夏トレードを敢行。バーランダーはアストロズへ、シャーザーはレンジャーズへとそれぞれ去った。
シャーザーに連敗阻止を託したものの、地区優勝を争うライバルにスイープを許してしまったレンジャーズ。最近20試合で15敗と大失速しており、ポストシーズンへ向けて暗雲が垂れ込めている。
さらに、この日は2回の守備時に右翼アドリス・ガルシアが右ひざを痛め、負傷交代。ブルース・ボウチー監督は「右ひざはかなり痛いようだ。木曜日(現地7日)にレントゲンを撮る予定なので、すべてはそれを見てから判断する」と険しい表情を浮かべた。
巨人でのプレー経験もあるガルシアは、ここまでチーム最多の34本塁打を放っており、さらに100打点はリーグトップ。2位は99打点のカイル・タッカー(アストロズ)で、続いて大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が95打点で3位となっている。もしガルシアが長期離脱となり、逆に右脇腹の痛みが癒えた大谷が戦列に復帰すれば、100打点オーバーでトップに踊り出る可能性は十分に考えられる。打撃部門で上位に立つ大谷とガルシアが、ともにケガを抱えたことになり、タイトル争いは混沌としてきた。
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文●SPREAD編集部