10日、香港・シャティン競馬場にて香港国際競走が行われる。メインを飾るのは中距離戦線の頂上決戦・香港カップ(GI・芝2000m)。日本馬は過去5年で3勝2着4回と、地元香港勢をも凌ぐ好相性の一戦に、今年はプログノーシス、ローシャムパーク、ヒシイグアスの3頭が頂点に挑む。立ちはだかるのは、昨年の覇者ロマンチックウォリアー。果たしてどんな結末が待ち受けているのか。
◆【香港カップ2023予想/馬連2点買い目】パーフェクト連対のロマンチックウォリアーからシビアに絞り込む
■香港の雄は、少なくとも連は外さない
昨年はパンサラッサやジオグリフなど、GI馬4頭を含む5頭の精鋭が日本から参戦したものの、ロマンチックウォリアーの圧勝に終わった香港カップ。その地元の雄が、今年も盤石の態勢でカリフォルニアメモリー以来となる、史上2頭目の香港カップ連覇を果たしそうだ。
今年は香港GIで取りこぼすシーンも見られるが、春のクイーンエリザベス2世Cでは、プログノーシスらを破り連覇を達成。秋は豪州へ遠征し、香港調教馬としては史上初となる豪GIコックスプレート制覇を成し遂げ、ここぞという場面ではキッチリと結果を残している。
海外遠征からの帰国初戦となるが、11月28日にはバリアートライアル(実戦形式の調教)で、香港マイル2勝のゴールデンシックスティらを相手に先頭で駆け抜け、調整は至って順調。シャティン芝2000mでは【5.1.0.0】とパーフェクト連対を誇り、少なくとも連を外すことは考えにくい。
■日本馬の筆頭候補は……
日本勢の筆頭格はプログノーシスか。クイーンエリザベス2世Cでは2着に敗れたが、直線で前が詰まり、やや脚を余した印象。スムーズならロマンチックウォリアーに肉薄していた可能性も高い。
今年に入ってGIIを2勝。前走の天皇賞・秋では、イクイノックスには及ばなかったが、後方から鋭い決め手を発揮して3着に好走しており、中距離路線では国内トップクラスの実力を示している。
懸念材料は国内レコード決着となった前走の反動。プログノーシスも従来のレコードを上回る1分55秒8で駆け抜けており、怪物イクイノックスはともかく、“普通の馬”なら少なからず影響は残りそうで、本来の力を発揮できるかがカギとなりそうだ。
むしろ、伸びしろを期待したくなるのがローシャムパークのほう。GI実績こそないが、函館記念、オールカマーと重賞を連勝。特に前走はGI3勝のタイトルホルダーを着実に捉える完勝劇で、近走の充実ぶりは目を見張るものがある。
父ハービンジャーは、2018年2着のディアドラ、20年1着のノームコアと、産駒は当レースとの相性も抜群。近親ルーラーシップは2012年のクイーンエリザベス2世Cを制しており、シャティン芝2000mに打ってつけの血統。鞍上D.レーンも3走前に一度コンビを組んで勝利しており、国際舞台でビックタイトル奪取の可能性大だ。