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輝き失せない黄金世代 河本結、高橋彩華、臼井麗香、天本ハルカ、2勝目がメジャーとなるか ワールドレディスチャンピオンシップ

輝き失せない黄金世代 河本結、高橋彩華、臼井麗香、天本ハルカ、2勝目がメジャーとなるか ワールドレディスチャンピオンシップ
河本結(C)Getty images

2日から茨城県の茨城ゴルフ倶楽部 東コースで、国内メジャー、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップが開催される。

2019年は渋野日向子、2021年は西村優菜、2023年は吉田優利が優勝。皆、米ツアーへ主戦場を移した選手たち。2022年大会覇者の山下美夢有はこの勝利がこの年の1勝目。年間女王のタイトル獲得のきっかけを掴んだ大会だ。

その後、大きく飛躍する選手が制してきわけたが、今年は、黄金世代の選手に注目したい。今季ようやく初優勝をあげた、臼井麗香天本ハルカ、復調傾向にある河本結高橋彩華、この4名だ。

◆河本結が全米女子OP出場権獲得を報告「なんとでも言えばいい。私は、挑戦したいから戦い続けます」

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップの歴代優勝者

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップの歴代優勝者

■自身今季初戦で初優勝の臼井麗香

臼井は2019年のメルセデス・ランキング(以下MR)は62位だったが、第1ラウンドで上位に入ることが多く、ファーストラウンドの平均スコアが18位。初優勝の期待が高まる成績をあげていた。

2020-21年でも初優勝はならなかったが、MRで44位に入りシード入り。着実に成長していった。

2022年からもその流れは続くと思われていたが、スイングを変えて飛距離が落ちた。

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2020-21年の233.74ヤードで53位だったドライビングディスタンスが、2022年は228.75ヤードで85位。それも影響し、パーオン率も下降。2020-21年は64.5087%で66位だったが、2022年は58.9744%で92位だった。これは、規定ラウンド数に達した選手の中で下から5番目の数字である。

結果、2022年のMRは115位。

2023年は規定ラウンド数に達しなかったものの、ドライビングディスタンスは234.54ヤードと回復。ただ、パーオン率は53.7037%とさらに下降。結果、2023年のMRは134位となった。

そして、フィジカルトレーニングの頻度を増やして臨んだ2024年、臼井は過去2シーズンとは違うプレーを披露。

主催者推薦で出場権を得た3月のアクサレディスが今季初戦となったが、そこで初優勝。第2ラウンドで単独首位に立ち、最終ラウンドは悪天候により中止という、少し運を見方につけての優勝だった(1打差の2位には、山下がつけていた)。

その後も、予選落ちがあるなど、まだ不安定さはあるものの、5試合終了時のドライビングディスタンスが235.08ヤードで、パーオン率が64.8148%。

ワールドレディスチャンピオンシップでは2021年大会で優勝を争い2位タイ。好相性の大会で上位に顔を出しても不思議ではない。

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■天本ハルカ“やっと”掴んだ初優勝

4月28日から開催されたパナソニックオープンレディースで初優勝を飾った天本。今季は毎週のように優勝争いに加わっており、同大会の優勝は“やっと”という言葉がふさわしい。

現時点でトップ10の回数は、2連勝でポイントランキングトップを走る竹田麗央と並ぶ7回で1位タイ。パナソニックオープン前までの8試合でも6回で竹田とともに1位タイ。これまで安定感抜群のプレーを見せている。

パーオン率が77.1717%で2位、平均バーディ数が4.0727で2位、パーセーブ率が89.8990%で3位など、どのスタッツも高水準だ。

天本の安定感は、今季に限ったものではない。

昨季、MRは43位だったが平均ストロークは28位。目立つ上位フィニッシュは少なく、多くのポイントを稼ぐことはできなかったものの、「1打1打大事にプレーしていればいつかチャンスがくる」と言わんばかりに、安定感を高めていった。

今季の国内メジャー初戦でも、粘り強く、スコアを作ってくるのではないだろうか。

■パット好調の河本結

黄金世代で国内ツアーを経て米ツアーに挑戦した1人目の選手が河本。当時は、東京オリンピック日本代表入りの可能性が残されており、世界ランキングに反映されるポイントが高い、という理由での挑戦だった。

米ツアールーキーイヤーの2020年は、好不調の波が激しかったものの、トップ10に2度入るなど、ポイントランキング75位。

次の年も米ツアーを主戦場にすることもできたが、この年限りで米ツアーを撤退。2021年からは日本ツアーを主戦場とした。

しかし、狂い始めた歯車を修正することはできずに、成績は下降線をたどる。米ツアー挑戦前年の2019年はMR8位だったが、2023年のMRは85位となった。

しかし、今季ようやく復調気配が漂ってきており、現時点でMRが11位。

成績向上の理由はパットの向上が大きいようだ。2023年、1.8263で60位だったパーオンホールの平均パット数が、今季は1.7611で7位。2023年、30.0423で65位だった1ラウンド当たりの平均パット数が、今季は28.8085で20位となっている。

河本は、30日から開催される全米女子オープンの出場権を、日本開催の地区予選に出場して獲得。国内メジャーではずみをつけての、海外メジャー挑戦といきたいところだ。

■高橋彩華、パットでカバー

日本女子ゴルフ界トップレベルのショットメーカーがパットを武器に復調気配だ。

高橋は、2019年のパーオン率が74.6032%で4位、ボールストライキングも14で4位。2020-21年はパーオン率が75.4405%で2位、ボールストライキングが8で3位だった。

ショットの精度を武器に数多く優勝争いに加わり、2020-21シーズンは50試合中21試合でトップ10入り。未勝利ながらMRで8位に入った。

しかし2022年、初優勝をあげたものの、持ち味のショットに陰りが見え始める。パーオン率が70.5556%で19位、ボールストライキングが51で24位。MRは14位だった。

2023年は、パーオン率が71.5087%で16位、ボールストライキングが48で24位。MRは23位だった。

今季も現時点のショットのスタッツは同程度の水準で、パーオン率が70.3704%で17位、ボールストライキングが72で34位。

だが、パットの安定感が出てきており、パーオンホールの平均パット数は、2023年が1.7930で26位だったが、今季現時点は1.7888で21位。1ラウンドあたりの平均パット数は、2023年が29.6881で44位だったが、今季現時点では29.1250で26位となっている。

結果、トップ10回数が9試合中5回で、MRが8位。2020-21年の成績に戻ってきている。

■黄金世代の輝き増すか

下の世代の選手の台頭により、黄金世代の選手たちの存在感が一時期に比べてやや薄くなっていた。

しかし、ここへきて、臼井や天本が初優勝をかざったり、河本や高橋の成績が上向くなど、黄金世代の層の厚さを見せている。

米ツアーを主戦場にしている日本ツアー通算7勝の勝みなみが、ワールドレディスに出場する。2022年大会に9位タイ(2023年大会不出場)に入っていることもあり、優勝候補にあがるが、もしかしたら、今回最も輝くのは勝以外の黄金世代の選手かもしれない。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。