国際卓球連盟(ITTF)は10月29日、2024年第44週の世界ランキングを発表。「WTTチャンピオンズモンペリエ」で好成績を上げた選手たちが順位を上昇させた。
なかでも今後に向けて期待されるのが自己最高位を更新したふたりの若手選手。6位に上げた16歳の張本美和(木下グループ)、11位となった20歳の大藤沙月(ミキハウス)には注目が集まっている。
◆【動くグラフ】日本女子選手は世界ランキング今何位? 24年の世界ランク変動まとめ 早田ひな、伊藤美誠ら黄金世代に16歳張本美和&20歳大藤沙月が肉薄
■早田が負傷のなか中国相手に快挙
ここ数年の女子卓球界の中心として君臨してきたのが“黄金世代”と呼ばれる2000年生まれの選手たち。なかでも早田ひな(日本生命)はエースとして世界ランキングでは日本勢最高位をキープ。パリ五輪では女子シングルスで銅メダル、女子団体でも銀メダルメンバーとなった。
早田と同じくトップ10圏内をキープする伊藤美誠(スターツ)、パリ五輪シングルス出場でベスト8入りした平野美宇(木下グループ)を含めた同世代3選手が日本トップに君臨していたなか、ここ1、2年で急速に力を伸ばしたのが張本美。男子のエース、張本智和(智和企画)の妹である16歳は国際大会で実績を重ねると、4月23日に発表された第17週の世界ランキングで8位に入り初のトップ10入りを果たした。
夏のパリ五輪にも団体メンバーとして出場し経験を重ねると、早田が負傷でベンチに座った「ITTFアジア卓球選手権2024」では決勝の中国戦で当時世界4位の王芸迪を破り、世界女王の孫穎莎からもシングルス初勝利をつかみ、50年ぶりの中国勢を倒しての金奪取の立役者に。WTTシリーズでも各大会で安定した成績を収め、「WTTチャンピオンズモンペリエ」では準優勝。1度もトップ10から漏れることなく6位まで順位を上げてきた。
■圧巻の日本勢3選手撃破
そして、ここ最近の活躍が目覚ましいのが大藤。五輪3大会メダリストの石川佳純さんを輩出した名門・四天王寺高出身の20歳は、威力ある両ハンドドライブに磨きをかけて今季初参戦となったWTTシリーズで躍動。「WTTフィーダーパナギュリシテ2024」で今季5勝目を挙げると、17位に入りトップ20に浮上。その後、15位まで順位を上げた。
迎えた「WTTチャンピオンズモンペリエ」では、平野、伊藤という黄金世代を下す快進撃を見せると、準決勝では当時世界10位の鄭怡静(台湾)とのフルゲームも制し決勝進出。決勝に勝ち進んだ張本美と三度日本人対決が実現した。
今の日本女子で最大の成長株と呼べる張本美との戦いにおいても、一歩も引かず真っ向勝負を展開した大藤は4-2で勝利をつかみ、チャンピオンズ初出場で初優勝。中国勢以外では初の優勝となり、世界ランキングの1000ポイントを追加して直近では平野を抜き、11位まで上昇した。11月20日から福岡で行われる「WTT男女ファイナルズ」のシングルスの出場も決めており、中国勢などトップとの対戦にも注目が集まってくる。
2028年のロサンゼルス五輪に向けても新たな戦いが始まっていくなか、女子卓球界をけん引する黄金世代の次を担う選手として存在感を高めてきた16歳の張本美と20歳の大藤。日本女子のホープとなった若手2選手のさらなる飛躍に期待が高まる。
◆【動くグラフ】日本女子選手は世界ランキング今何位? 24年の世界ランク変動まとめ 早田ひな、伊藤美誠ら黄金世代に16歳張本美和&20歳大藤沙月が肉薄