【競馬】ソーヴァリアントから禁止薬物が検出 歴史的なビッグイベントを前に

■今月29日のジャパンCは世紀の一戦

11月のスタート週に、無敗の牡馬三冠馬コントレイルがジャパンCへの出走を表明した。一方、無敗の牝馬三冠馬デアリングタクトも早々にジャパンC参戦を明言しており、同年に誕生した牡牝の三冠馬同士の夢の対戦が実現することになった。

それだけでも競馬サークルを揺るがす大ニュースだったのに、その翌週。史上初の芝GI8勝馬であるアーモンドアイが、引退レースとしてジャパンCに照準を合わせたことが発表になった。アーモンドアイも3歳時の三冠であるのはご存知の通り。これで今年のジャパンCは“三冠馬3頭”の激突という史上初めての大イベントとなったのである。

通常の観戦スタイルだったら、一体どのくらいの入場者があったのか――そんな余計なことすら考えてしまうくらいのビッグイベント。今月29日、東京競馬場で行われる世紀の一戦は、間違いなくここ数年のレースの中では最も注目され、歴史的なものになるはずだ。

■勝ち馬から禁止薬物のカフェインが検出 14年12月にも

そんな盛り上がりを見せる競馬界に、まったく逆の意味でとんでもないニュースが舞い込んだ。11月11日、前週の土曜東京4Rを勝ったソーヴァリアント号から禁止薬物のカフェインが検出された、という事件である。ソーヴァリアントは失格となり、1着賞金は没収。2着以下が繰り上がるという措置が取られることになった(レースが確定しているため、払戻金に変更はない)。

今回と同じ禁止薬物の検出によって失格、2着以降が繰り上がるケースは、14年12月以来。観客制限の中、競走馬たちの頑張りでジャパンCが空前の盛り上がりを見せているではないか……という状況下で一体何をやっているのだ、と思わざるを得ないほどである。

禁止薬物の使用云々というのは、公正さを欠いて、つまりは不正とか八百長とか、競馬のギャンブルとしての負の側面を露骨に表に出してしまう。要は最も避けなくてはならない事件、と言っていい。それなのに、少し罰則が軽い“規制薬物”まで含めると、結構な頻度で出てくる。一体何故なのか。

■正面から向き合い再発防止策を

馬が自分の意思で薬物を摂取するわけはなく、飼葉を与えるスタッフたちの人為的なミスだと言っていい。それがたとえ何らかの手違いで禁止薬物の混入した飼料が出回った、のだとしても。ではまったくチェックする方法がないものなのか。安直だが、もっと罰則を厳しくする(情状酌量は認めず一律に厳罰で臨む)ことはできないのだろうか、とさえ思う。

今回のケースも厩舎サイドにはお咎めがなく、翌週も当たり前のように管理馬を出走させていた。無論、厩舎が意図的に薬物を使ったとは思わないが、ひとまず出走を停止させるくらいの措置はあっていいのかもしれない。それが理不尽だというなら、関係者全体でチェック機能を高める努力をすればいいのだ。そもそも禁止薬物の検出は、そのくらいの大問題なのだ、という認識がないのではないか。

あってはならないことを起こして、公正競馬の理念を損ね、今の盛り上がりに水を差すようなことをしては、それこそすべての努力が水の泡になる。今一度、自分たちの足元を見つめ直して、襟を正して欲しいと願うばかりである。

著者プロフィール

競馬“聞き耳”TM

競馬場やトレセンで取材を続けるトラックマン(TM)。東西に幅広い人脈を持ち、常に現場の情報にアンテナを張り続けている。関係者はもとより、記者仲間からも日々ネタを仕入れており、当サイトでは競馬の舞台裏、関係者の素顔が垣間見える“聞き耳”情報を配信。

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします