「Yogibo presents RIZIN.26」が12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催され、第3試合・スペシャルワンマッチ(1R:キックボクシングルール、2R:MMAルール)「HIROYA vs シバター」はドローとなったが、試合後の検証でシバターの勝利(2R 0分38秒 S:腕十字固め)に変更となった。
電撃参戦の経緯や本番前の舌戦など、「YouTuber・シバター」のRIZIN参戦は賛否両論でもあったが、大晦日のリングで見せた姿は紛れもない「格闘家・シバター」であった。
■朝倉未来も絶賛「今日のMVPじゃないですか」
直前まで明らかにされていなかった対戦相手は“魔裟斗二世”の異名を持つキックボクサーのHIROYA。シバターは、1Rからプロレスばりのロープワークや相手を挑発する仕草も交え応戦し、終盤にはダウンも奪った。
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MMAルールとなった2Rでは、シバターが腕ひしぎ十字固めを決め、HIROYAがタップしたかにも見えたが惜しくも一本の判定にはならず。
この腕十字が決まった瞬間、どよめきが起こった。どこか“色物”として見ていたシバターが勝つのか……。ゴング間際ではHIROYAから猛攻を受け、苦悶の表情を浮かべながらも耐え抜いた。
決してスマートに立ち回るわけではない。かといって“炎上系YouTuber”として試合を壊すわけでもない。格闘家、プロレスラーとしての意地をリングと観衆に刻み込むべく、全力でHIROYAに挑んでいった姿だけがそこにはあった、その後、検証で勝利が確定したことも含め、劇的な試合であったことは間違いないだろう。
シバターの奮闘には朝倉未来も「(RIZINに起用して)正解だったなというか。格闘技ファンが増えたんじゃないですか。あんなに真剣な姿を見て感動した人もいると思うし。今日のMVPじゃないですか」と称賛の言葉を残した。
■「想像する自分の未来にはなかったから」
シバターも、試合後に自身のYouTubeチャンネルに投稿した動画にて「ずっと夢だったからね。夢というか叶わない夢だよね。まさか自分が大晦日に格闘技のリングに立って試合をやらせてもらって勝って。自分が想像する自分の未来にはなかったからさ」と感慨深い表情で語っている。
近年、海外では「YouTuberの格闘技界進出」が話題を呼ぶケースが増えている。その意味では、日本における一つのモデルをシバターが示したのかもしれない。RIZIN・榊原信行CEOもこういったトレンドに触れつつ、今後の再オファーの可能性も否定しなかった。
RIZINのリングは「最高だった」と振り返ったシバター。しばらくは再びYouTubeで”大暴れ”する日々だろうが、RIZINのリングに戻ってくる日もそう遠くはないはずだ。
文・SPREAD編集部