【野球】有原や澤村、菅野の評価とは? 米専門サイトがMLB挑戦を目指した選手を分析<第2回 NPB編>

(C)Getty Images

FAやポスティングシステムの恩恵を受け、毎年一定数の選手がNPBKBOからMLBへの移籍を模索している。MLB移籍後に期待通りの活躍を見せる選手もいれば、思わぬ苦戦を強いられる選手も存在する。自国ファンの期待が裏切られるケースもそう珍しくはない。

2020年オフも複数の選手がMLB挑戦に動いたが、彼らに対する現地専門メディアの予想や分析はどうなっているだろうか?

2021年から「SPREAD」ではファンタシースポーツ専門メディアとしてアメリカで大きな影響力を持つ「RotoWire」と提携し、現地発の分析や予想を新たに紹介していく。

プレーヤーが実在する選手をピックアップして編成した仮想チームを用いて、ポイントなどを競い合うファンタシースポーツにおいて、戦力予想はまさにキモとなる部分。この分野において、ファンタシースポーツの本場・アメリカで確かな評価を得ている「RotoWire」は、NPBとKBOの注目選手にどのような評価を下したのか。

2回目となる今回は、NPBからMLBを目指してFAやポスティングに動いた選手たちを取り上げる。(各分析はNPBシーズン終了直後~12月中旬時点でのもの)

◆第1回 韓国・KBOからMLB移籍を目指した選手達を徹底分析

■菅野智之

31歳 右投右打 投手
※ポスティングによるMLB移籍を申請したが、巨人に残留

菅野のこれまでの成績

キャリア終盤に若干差し掛かってのMLB挑戦となる菅野だが、衰えの兆しはまったく見せていない。2017年、2018年に沢村賞を受賞したベテランは、日本最高の投手としての地位を確立してきた。スライダーを筆頭とした豊富な球種のレパートリーと、優れたコマンド(※1)を武器に好成績を残してきた。8年間のキャリアで、対戦打者への与四球率はわずか4.9%、一方で奪三振率は22.4%となっている。

昨季は菅野にとってベストシーズンの一つであった。20先発で、防御率1.97、WHIP 0.89という特筆すべき成績を残している。

年齢的に今後のキャリアの絶頂期は決して長いとは言えず、2020年同様の成績をMLBでも期待するべきではないが、数年は非常に優秀な先発投手となるだろう。菊池雄星(NPBでの通算防御率2.77)や山口俊(同3.35)といった、近年MLBに挑戦した投手はインパクトを残せていないが、菅野のこれまでの成績を鑑みれば、彼らよりも一段レベルの高い投手であり、比較対象は前田健太田中将大となるだろう。

※1 狙ったスポットに投げる制球力。

■有原航平

28歳 右投右打 投手
※テキサス・レンジャーズと2年契約

有原のこれまでの成績

この記事が1年前に書かれていたら、最注目の投手は菅野ではなく有原であっただろう。2019年は防御率2.46、WHIP 0.92であり、奪三振率(25.2%)や与四球率(6.3%)も素晴らしかった。2020年は成績を落としたこともあり、契約規模への影響は出るだろう。

他の日本人投手同様に、有原も豊富な球種レパートリーを兼ね備えている。4シーム、2シームの両方を投じ、スプリット、スライダー、カッター、チェンジアップ、カーブを織り交ぜる。スプリットは三振を奪ううえで最も効果的な球種だろう。カーブ以外の6球種の投球割合はそれぞれ10%以上となっているが、MLBで同様の投手はダルビッシュ有しかいない。直球の平均球速92.3マイルはMLB平均を下回っており、球種をフル活用する必要があるだろう。

MLBで活躍してきた日本人投手に比べると、有原の実績は劣っていると言わざるをえない。スウィングマン(※2)、もしくは再建中のチームのローテ後半投手に収まるか。

※2 先発と中継ぎの両方をこなす存在。

■西川遥輝

28歳 右投左打 外野手
※ポスティングによるMLB移籍を申請したが不成立

西川のこれまでの成績

西川の走力は素晴らしい。過去7年平均で36.9盗塁を記録しており、昨季も115試合で42盗塁だ。

キャリアハイとなるOPS.825を引っさげてのMLB挑戦だが、これは決して最大の長所というわけではない。確かな選球眼を兼ね備えており、四球を奪う確率は17.6%、対して三振率は16.1%だ。しかし、打力でMLBの投手へ脅威を与えられない限り、相手投手はどんどんゾーン内で勝負してくるだろう。

単打や盗塁の多さはセンターとしてアピール点にはなるだろうが、走力以外の守備全般には課題がある。この理由により、MLB各球団はスタメン候補としての興味を持たないかもしれない。併用される前提であれば、少なくとも左打者として出塁し盗塁を決めるなどはできるだろう。最良のシナリオとしてはこんなところだが、長打力のないベンチ要員はそもそもチャンスを掴むこと自体が難しい。

■澤村拓一

32歳 右投右打 投手
※移籍先未確定(1月18日時点)

澤村のこれまでの成績

通算75セーブを記録している澤村だが、直近4年間ではわずか2セーブのみ。(NPBで)クローザーではない投手がMLBで9回のマウンドに立つ可能性は極めて低いだろう。しかしながら、MLB挑戦を目指しFAとなった澤村には、リリーフ投手としてMLBでの仕事場を確保できるだけの実績がある。

NPBでの通算防御率2.77、WHIP 1.18は優秀だが、奪三振率22.0%、与四球率7.3%というのは決してスペシャルではない。MLBレベルの球威は持ち合わせており、最速97マイルのストレートに90マイル台前半のスプリットを織り交ぜる。MLBのロースターに名を連ねることはできるだろうが、現状ではMLBにおける「一流リリーバー組」に名を連ねるには至っていない。

【野球】米専門サイトがアジアからMLB挑戦を目指す選手を徹底分析<第1回 韓国・KBO編>

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文=エリック・ ハルターマン(RotoWire)/編集・翻訳=SPREAD編集部

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