【ラグビー】新外国勢が躍動「台風の目」は…… トップリーグ前半戦を振り返る

■TJ・ペレナラとバレットの活躍が際立つ

待ちに待った開幕を迎えたラグビー・トップリーグは、早くも前半の第4節が終了した。海外からのスター選手の活躍を中心にここまでを振り返ってみたい。

文字通り台風の目となったのが、NTTドコモレッドハリケーンズだ。第4節のパナソニックワイルドナイツ戦は力負けしたものの、昨シーズン1勝5敗だったチームが開幕3連勝と勢いに乗った。

なかでも新加入のニュージーランド代表TJ・ペレナラの活躍が凄まじい。FWを統率しBKラインを動かすラグビーセンスもさることながら、ボールキャリアとしての迫力も超一流。リコーブラックラムズ戦では17-17の同点から80分にサヨナラ・トライを決め、勝負強さを見せつけた。何より生き生きとプレーする姿が心を打つ。後半も彼の動きから目を離せそうにない。

サントリーサンゴリアスボーデン・バレットは……、とにかくカッコいい!こんなベビーフェイスのスタンドオフがいたら、ファンは確実に増えるだろう。もちろん成績も素晴らしい。2トライ、27ゴール、4PGで76得点を記録し、2位を31点も引き離してランキングは断然のトップ。チームにも完全にフィットしている点もさすがだ。

ホワイトカンファレンス 順位

■4連勝の5チームには存在感ある選手が……

存在感といえば、神戸製鋼コベルコスティーラーズブロディ・レタリックだ。大柄なFW陣の中でもひときわ聳える204センチは、ラインアウト、モール、スクラム、ラン、タックルと、すべての局面で暴れ回った。神戸製鋼は16チーム中2位の192得点を記録しているが、レタリックの活躍が原動力といっていい。

トヨタ自動車ヴェルブリッツでは、オールブラックスワラビーズのキャプテンとしてお互いに凌ぎを削ってきたキアラン・リードマイケル・フーパーがついに夢のバックローを組んだ。強烈なリーダーを2人も得たチームは、開幕4連勝と快調だ。

こちらも4連勝と快進撃のクボタスピアーズには、世界最高のフッカーマルコム・マークスとワラビーズの10番、バーナード・フォーリーがいる。両者とも派手なプレーは少ないが、いぶし銀のプレーは見ていて楽しい。

日本人選手では、パナソニックワイルドナイツの福岡堅樹が持ち前の切れ味を見せている。周知のように医者を目指して今季限りでピッチを去る。華麗なダイビングトライをあと何回見せてくれるのか、背番号11に注目だ。

レッドカンファレンス 順位

■トライ王は伏兵のナエアタ ルイ

さて、トライランキングトップに立つのは、神戸製鋼ナンバー8のナエアタルイ、流経大出身の26歳だ。伏兵ながら出場3試合で9トライと大ブレークしている。2位がヤマハ発動機ジュビロのウイングマロ・ツイタマで8トライ。さらにはサントリーのウイング、テビタ・リーが7トライで続き、南太平洋コネクションの決定力を見せつけている。日本勢トップは神戸製鋼のウイング、山下楽平の5トライ。後半の追い上げを期待したい。

得点ランキング20

ここまでのベストマッチには、NTTドコモvsリコーを挙げたい。両チームが激しいブレークダウン、美しいパスプレーを遺憾なく発揮した好ゲームだった。自陣からパスをつなぎTJ・ペレナラのトライで決した幕切れも劇的だった。注目選手、マカゾレ・マピンピの名刺代わりのトライも楽しめた。

キャノンイーグルスがヤマハ発動機に40-32と競り勝った試合もよかった。3連敗と精彩を欠いていたキャノンが闘志を剥き出しにして勝利を掴み取った。試合後に涙ぐむ選手もいて、この一戦にかけた気持ちがダイレクトに伝わってきた。

■多くの好ゲームなかで大差ゲームが12試合

逆に残念だったのが、三菱重工相模原ダイナボアーズvsNTTコミュニケーションズシャイニングアークスの一戦。ノーサイド直前、26対26の同点で得たペナルティを三菱重工が蹴り出して試合を終わらせてしまった。ホームグラウンドに集まったファンはガッカリしたのではないだろうか。どうしても勝ち点が欲しいのは分かるが、スリリングな攻撃を見せてほしかった。

接戦の好ゲームが多いなかで大差ゲームも目についた。第4節までの32試合中、30点差以上開いたゲームが13試合もあり、うち8試合は40点差以上だった。来季から始まる新リーグは16チームから12チームに減って実施される。実力伯仲の接戦を期待したい。

さて、第5節は3月27、28日に行われる。トヨタ自動車VSサントリーの全勝対決を筆頭に、ヤマハ発動機VS神戸製鋼など、楽しみな試合が組まれている。ひいきの選手、ひいきのチームを作って応援してほしい。私は、TJとマピンピのドコモにエールを送っています。走れ、マピンピ!

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」(産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。


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