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【東京五輪/7人制ラグビー】リベンジに燃える松井千士、藤田慶和 新生サクラセブンズにも期待

 

【東京五輪/7人制ラグビー】リベンジに燃える松井千士、藤田慶和   新生サクラセブンズにも期待
松井千士(C)Getty Images

東京五輪7人制ラグビーは、男子が26~28日、女子が29~31日に東京スタジアムで行われる。1日目と2日目に予選リーグと準々決勝、順位決定戦、3日目に準決勝、決勝、3位決定戦が予定されている。

7人制ラグビーは、15人制と同じグラウンドでフォワード3人、バックス4人がプレーする。ブレークダウンやセットプレーよりもランの切れ味が勝敗を左右するため、どのチームもスプリントに優れたランナーを揃えて試合に臨むのが特徴だ。陣地を取るためのキックは少なく、スピーディーな展開ラグビーが楽しめる。

ベンチ入りは1チーム12人、1試合に5人の交代が認められている。試合時間が前後半7分ずつ、ハーフタイム2分と短いため、1日に同じチームが2試合を行う。なお、シンビンは2分間だ。12チームが4チームずつに分かれてプール戦を行い、各プール1、2位+成績のいい2チーム、計8チームがノックアウト方式のプレーオフに進む。

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■日本はフィジー、イギリスと同じ“死のプール”

ジャパン男子リオ五輪で4位と健闘。優勝候補のニュージーランドを破る金星も上げ、会場を大いに沸かせた。地元開催の今年はメダル獲得がミッションとなる。しかし、予選は厳しいプールに入ってしまった。リオ優勝のフィージー、準優勝のイギリス、さらには昨年のワールドセブンズシリーズで3位のカナダと強豪ぞろい。プール突破も容易ではない。岩渕健輔ヘッドコーチは「どのプールに入ってもハードな戦いになる。できうる限りの準備をする」と気持ちを引き締めている。

ジャパンは初日の9時からフィジー、同日の16時30分からイギリスといきなりタフな試合が続く。地の利を生かしてチームのピークを持っていければ、もちろん勝機はある。猛暑の中でのフィジカル勝負になれば、さらに有利だろう。

今回のメンバーにリオ経験者は4人いるが、注目したいのは前回最終選考で落選となった松井千士(横浜キャノンイーグルス)と藤田慶和(埼玉ワイルドナイツ)。松井はキャプテンにも指名されて気合が入る。2人とも5年前の悔しさをバネに縦横無尽に走り回ってほしい。

優勝争いは、この競技に国の威信をかけるディフェンディング・チャンピオンのフィジーが中心となりそうだ。また、リオで5位と低迷したニュージーランドの巻き返しがポイントとなる。15人制のスーパースターでトップリーグでも活躍するサム・ケレビを代表に呼んだオーストラリアもメダルを狙う。なお、リオで銅メダルの南アフリカはヘッドコーチがコロナ陽性となり、指揮を取れるか微妙となった。

■新生サクラセブンズが旋風を起こすか

女子チーム、サクラセブンズはリオでは出場12チーム中10位と世界の壁に跳ね返された。今回、ピッチに立つ12人でリオに出場したのは小出深冬1人だけ。残りの11人は初の五輪代表となる。また、20キャップ以上を持つのは、バティヴァカロロライチェル海遥平野優芽の2人だけで、0~8キャップが8人と非常に若いチーム構成となった。

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鍵を握るのは、共同キャプテンを務めるバティヴァカロロと清水麻有の2人だろう。短期決戦だけに、チームをまとめるキャプテンシーが重要になる。156センチと小柄ながらトライゲッターとしての活躍が期待される原わか花、173センチと長身でラクロスで鍛えた体力が魅力の白子未祐にも注目だ。また、15人制で日本代表経験があるハレ・マキレHCの采配も見どころとなる。

予選同組には、リオ優勝のオーストラリア、ワールドシリーズ総合2位の実績があるアメリカ、そして、初出場の中国が入った。オーストラリアは抜けた存在だが、なんとかアメリカに競り勝って3試合目の中国戦にベスト8進出をかけたい。そのためには初戦のオーストラリア戦の内容が重要になる。若いチームだけに手応えをつかめば勢いに乗れるだろう。

金メダル争いはオーストラリアとニュージーランドが有力。ニュージーランドは、ワールドセブンズ女子シリーズで最多の6度優勝を誇る。リオで銅メダルのカナダも割って入る実力がある。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

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ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。