【天皇賞秋2026/危険な人気馬】二強の一角に黄信号 勝利を遠ざける実績とローテ

【天皇賞秋2026/危険な人気馬】二強の一角に黄信号 勝利を遠ざける実績とローテ

今週は秋の中距離王決定戦、第174回天皇賞(秋)(GI、芝2000m)が東京競馬場で行われる。

今年は、春秋盾制覇を狙うクロワデュノールと、レース連覇を目指すマスカレードボールの4歳2騎が激突。また、一昨年のダービー馬ダノンデサイルや、グランプリホースのレガレイラなど、GI馬は5頭がエントリー。加えて、毎日王冠を制したセイウンハーデスや、チャレンジCを勝ったジョバンニ、札幌記念を制したシェイクユアハートや、3歳馬リアライズシリウスなど、登録馬17頭中14頭が重賞ウイナーの豪華なメンバーが揃い、見応えのある一戦となりそうだ。

そんな中、ディフェンディングチャンピオンのマスカレードボールが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

◆【天皇賞秋2026特集】「マスカレードボールvs.クロワデュノールの2強ムード」出走予定・枠順・追い切り・予想オッズetc.

■連覇に必要な“実力の証明”に乏しい

昨年のマスカレードボールは、クラシックこそ手は届かなかったが、秋は古馬を相手に天皇賞(秋)で見事にGI初制覇。レコード決着のジャパンCでも、カランダガンから頭差の2着と、中距離戦線のトップランナーに上り詰めた。今年は海外を転戦し、QE2世C2着、KG6世&QES7着と、勝利こそ逃したが、世界の強豪相手に揉まれた経験は、秋の国内戦で活きるはず。今回はレース連覇の懸かる一戦で、大いに注目は集まる。

とはいえ、長い歴史の中で、天皇賞(秋)連覇を果たしたのは、シンボリクリスエス、アーモンドアイ、イクイノックスとわずか3頭のみで、決して容易ではない。そして、この3頭は最初の天皇賞(秋)制覇以降、少なくとも一つはGIを制したのち、連覇に繋げており、高いレベルで実力を示してきたスーパーホースであった。

一方、近年の天皇賞(秋)連覇を目指した馬で、ラブリーデイやスピルバーグ、エイシンフラッシュ、トーセンジョーダン、ブエナビスタなど、一度目の天皇賞(秋)制覇以降、GI未勝利だった馬は、翌年の天皇賞(秋)はことごとく敗れる結果となっている。マスカレードボールは、海外遠征など、ハイレベルな戦いをしていたとはいえ、昨年の天皇賞(秋)以降は未勝利に終わっており、前記3頭のようなスーパーホースと言えるかどうか、まだまだ微妙なところだ。

■海外遠征からの帰国初戦で天皇賞(秋)は勝てない

臨戦過程にも不安は残る。過去10年の天皇賞(秋)で、海外遠征組は【0.0.0.7】と、帰国初戦で馬券に絡んだ例はない。22年シャフリヤールや23年ドウデュース、24年リバティアイランド、25年タスティエーラなど、1・2番人気に支持された馬たちも、揃って5着以下に敗れており、海外遠征から、ぶっつけ本番の調整の難しさが伺える。ちなみに過去40年まで遡っても、海外遠征からの帰国初戦で勝利した例はなく、国内で使われてきた馬たちに分がある一戦といえる。

今回は同期のライバル、クロワデュノールとの対戦も大いに注目が集まるところだが、同馬との対戦成績は、マスカレードボールの1勝3敗と分が悪い。また、マスカレードボールは国内戦では初めて58キロを背負うこととなり、そのあたりも、走りにどう影響するか気にかかるところだ。加えて、連覇の難しさ、臨戦過程など不安要素は多く、妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避け、場合によっては「消し」でいってみたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

izukawaya