■決勝戦はもはや「究極の消耗戦」
朝倉が瀧澤戦でフルラウンドを消化してしまう恐れもある。今回も「KO宣言」を出した朝倉だが、KOを意識するあまり苦戦を強いられたのが前回のヤマニハ戦であり、冷静さを失うと“二の舞”も否定できない。準決勝で苦戦を強いられると、決勝はもはや「究極の消耗戦」となる。朝倉が勝ち進むと相手は「扇久保博正 vs. 井上直樹」の勝者となるが、この両者が朝倉以上にスタミナを持つ相手ということを触れておきたい。
扇久保博正は、2020年8月「RIZIN.20」で朝倉に1ラウンド4分31秒TKO(サッカーボールキック)負けを喫しているが、ベテランらしい巧みな試合運びで、瀧澤と同じく判定決着が多いタイプ。一方の井上直樹は、渡部修斗、元谷友貴と2戦連続でリアネイキッドチョークによる1ラウンド一本勝ちと、早い試合の印象が強いが、今年9月「RIZIN.30」の金太郎戦で見せたように、フルラウンドの打ち合いでも怯まないタフネスさは記憶に新しい。
堀口恭司のカーフキックに沈んだ昨年の大晦日大会から1年。「なんでオレが……」と一度は不満を漏らしながら、「RIZINバンタム級GP」トーナメントを1回戦から勝ち進んできた朝倉。榊原CEOは、今回の優勝者には2022年のBellatorバンタム級ワールドGP参戦を示唆しており、これは世界進出を目標に掲げる朝倉へのメッセージでもある。
朝倉には、RIZINで最も層の厚いバンタム級を一夜にして制覇しなければならない、という高い壁が立ちはだかる。それでも、準決勝は瀧澤戦謙太に判定勝ち、そして決勝は井上直樹との戦いでこちらも判定勝ちと、「究極の消耗戦」を朝倉海が制すると見た。
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文・工藤愛梨(SPREAD編集部)










