【格闘技/RIZIN.33】予測不可能な男・シバターが魅せた“30秒間の奇跡”「こんなこと三度は絶対ない」

総合格闘技イベント「Yogibo presents RIZIN.33」が12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催され、第6試合の「シバター vs. 久保優太」は、1ラウンド1分34秒 S アームバー(コーナーストップ)でシバターが勝利した。シバターは2020年の大みそか大会に続きRIZIN2連勝。「RIZIN無敗の男」が今年も大方の予想を裏切り、大観衆を騒然とさせた。

対戦相手が久保に決定して以降、消極的な姿勢を全く隠そうとしなかったシバターだが、この試合はエンターテイナーかつ格闘家としての「二面性」が存分に発揮されたものであった。

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■流れを一変させた右フック

大みそかのRIZINにはもはや欠かせない存在――。お騒がせ系YouTuberとして知られる男が見せた本気に、誰もがそう思ったはずだ。

人気YouTuberのヒカル、てんちむ、ヘラヘラ三銃士の“炎上軍”、そして前回の対戦相手・HIROYAをも引き連れてリングに現れたシバターだが、試合開始直後はパフォーマンスとも本心ともとれる“弱腰ぶり”だった。リング内を走り回ってのロープワークやタイガーステップ、さらにはリック・フレアーばりの土下座など、戦前の弱気発言通り完全に戦意喪失といった姿勢。これに対して、元K-1王者として実績・実力ともに充分の久保は憮然とした表情でローキックを当てていく。

しかし、第1ラウンド開始1分を迎えると予想外の展開に突入。シバターが繰り出した右フックを顔面に受けた久保は思わず尻もちをつき、ここでシバターの「格闘家モード」のスイッチが入る。続けざまのハイキックは空振りとなったが、猛然と距離をつめて連打を繰り出すと久保は完全にペースを失い防戦一方に。最後はシバターが飛びつきの腕ひしぎ十字固めに持ち込み、ここで勝負あり。連打から飛びつきを決めるまでの流れは、お手本のように無駄なく、そして鮮やかだった。

■「来年は出ないよ。奇跡だよ、これは」

当然ながら圧倒的な体重差もあり、一概に両者の実力をこの勝敗だけで計るのはフェアではない。それでも、シバターが右フックをヒットさせ勝負を決めるまで、わずか約30秒。当て勘や勝負どころを見逃さない切り替えぶりは、これまでの格闘家としてのキャリアの賜物だろう。

試合後の会見でシバター自身も「久保選手への対策はまったく出来ていなくて、あれは僕がずっと総合格闘技を19歳から練習してきて、よく使う技のひとつ。首相撲の展開になったので『あっ、入るかも。仕掛けてみるか』と思って仕掛けた」と振り返った。対照的に、敗れた久保が開口一番「やらかしてしまいました」と語り、続く言葉を失った様子からも、30秒間におきた一連の流れの衝撃度が伝わる。

開始直後の“おふざけ”は「罠じゃないんだけどなー」と笑い飛ばしたシバターだが、「でも結果的にはそういうかたちになった。リングの上は戦いだけど、リングに上がるまで、リングを降りてからも戦いなので、油断をさせるのも油断をしたのも自分の責任」と噛みしめるように振り返った。

戦前の弱気発言やRIZINとの舌戦を経て、今回も大みそかを大いに盛り上げたシバターは「来年は出ないよ。奇跡だよ、これは。自分の実力は自分で分かる。こんなこと三度は絶対ない」と断言した。周囲の予想を常に裏切ってきた男なだけに、その本心は誰にも分からない。ただ、願わくばまた同様の“奇跡”を起こし、格闘技界を騒がせて欲しいと今は思う。

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(C)RIZIN FF

文・工藤愛梨(SPREAD編集部)


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