【モータースポーツ】「パリダカの三菱」が復活か 東京オートサロン2022で『VISION RALLIART CONCEPT』お披露目

(写真:SPREAD編集部)

1月14日、遠くサウジアラビアでは世界ラリーレイド選手権(W2RC)開幕戦、「ダカール・ラリー2022」のファイナル・ステージが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)ナッサー・アルアティヤが2位のBRXセバスチャン・ローブに27分46秒の差をつけ、総合優勝を飾った。トヨタはこれで2019年以来、2度目のダカール制覇となった。

現在の名称は「ダカール・ラリー」ではあるものの、もともとは「パリダカール・ラリー(パリダカ)」が前身。これまで中止の憂き目をみた年も含まれるが今年で44回を数える「世界でもっとも過酷なレース」だ。

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■三菱は「パリダカ」における日本メーカーの代名詞

「パリダカ」において、日本の自動車メーカーの代名詞と言えば、実は三菱自動車だ。1978年に歴史的スタートを切ると、1985年には日本メーカーとして初めて総合優勝を成し遂げた。2001年からの7連覇を含め、実に12回の総合優勝を成し遂げている。これには日本人として初めて総合優勝を飾った篠塚建次郎、2度頂点に立った増岡浩ほか、2022年大会にも出場した「ミスター・ダカール」ステファン・ペテランセルによる優勝も含まれている。メーカー別優勝回数で2位につけるプジョーの7度制覇大きく引き離す偉業でもある。

この功績は、三菱のモータースポーツ・ブランド「ラリーアート」と歴代の「パジェロ」によるところが大きい。

しかし、リーマンショック後の経営不振などもあり、三菱はラリーから撤退。パジェロは同社のラインナップから姿を消し、ラリーアートの名称も歴史上に名を残すばかりとなっていた。だが昨年5月11日、同社の2020年度決算書が発表されると「ラリーアートを復活させる」と明記されていた。これには同社のOBすら驚いたとされる。

【モータースポーツ】三菱自動車の魂 RALLIART がラリーに還る日

■「VISION RALLIART CONCEPT」が秘める新生ラリーアートの可能性

その後、幾多の噂が持ち上がりつつ、どうにもすっきりしない状況が続いてはいたものの、トヨタがダカールを制したと同じ日、千葉県・幕張メッセで開催された『東京オートサロン2022』の三菱ブースにおいて、モータースポーツファン待望ともいえる「ラリーアート」ブランドのコンセプトカー『VISION RALLIART CONCEPT(ヴィジョン ラリーアート コンセプト』がお披露目された。

(写真:SPREAD編集部)

アウトランダーPHEVをベースにしたこのコンセプト・カーは、マット・ブラックの精悍さをまとい、そのスタイリングからは圧倒的な重厚感と存在感を放たれていた。まさに新生ラリーアートの可能性が秘められているとしてよかろう。

全体的にも大きな前後バンパーと張り出したオーバーフェンダーによって、ボリュームのある力強さを表現、レーシーな印象を与える大型リヤ・ディフューザーにラジエーターシャッターを備えたフロントグリルは、「速さ」をアピールしているようにさえ映る。ワイドトレッド化され22インチ大径ホイールとタイヤは、まさにラリーレイドを待ち望んでいるかのように思わせた。

近くに居合わせた三菱のスタッフに「これは……」と話しかけたが、「申し訳ありません。こちらから特に説明、発表をする予定はないのです」と丁寧な口調ながら、ひどく思わせぶりな回答が戻って来た。

本来であれば2020年に開催が予定されていた新生「ラリー・ジャパン」に「三菱」の名が刻まれない点、2004年の第1回開催を目の当たりした関係者として、非常に残念に思っていたのだが、もし今年、本当に開催決行となれば、そこに「ラリーアート」の名を見つけることができるかもしれないと想像も膨らむ。

そして、何よりも2023年のダカール・ラリーに、伝統のブランドが復活するのか……と渇求ばかりが頭をもたげてくる。今年のオートサロンの三菱ブースは、そんな希望に溢れていた。

(写真:SPREAD編集部)

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文・SPREAD編集部


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