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【THE MATCH 2022/天心vs武尊】次世代スター誕生へ “-55kg王者”対決と“重量級”の注目カードを読む

【THE MATCH 2022/天心vs武尊】次世代スター誕生へ “-55kg王者”対決と“重量級”の注目カードを読む
(C)AbemaTV, Inc.

■那須川と武尊が創ってきた「-55kg」王者対決

-55kg契約の3試合は、王者対決が組まれている。鈴木真彦(RISEバンタム級王者)vs. 金子晃大(K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)志朗(RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kgトーナメント優勝)vs. 玖村将史(Krushスーパー・バンタム級王者)江幡睦(WKBA世界バンタム級王者)vs. 璃明武(Krushスーパー・バンタム級王者)だ。普段の大会では、後半戦を任されることが多い王者たちだが、今回は何と前半戦に登場。ビッグマッチの火付け役の意味合いも強いだろう。

鈴木vs金子の第1試合から、現役RISEとK-1の王者対決で、プライドをかけた激しい打ち合いが予想される。

鈴木は、回転力のあるパンチが武器で「1発貰うと3発返す」といったような好戦的スタイル。試合中、相手と打ち合い、時折笑みを浮かべるほど、打ち合いを好む。32勝のうち19KO勝利と高い決定力を誇る。対する金子は、一撃で倒せるパンチやカーフキック、飛びヒザなど多くの武器を持つK-1王者。55kgとは思えぬ、パワーで14勝のうち8つのKO勝利を数える。

両者、近い距離での攻防を得意とするため、序盤から前に出て殴り合う展開になるだろう。鈴木が左右のフックやストレートでヒット数を奪えば、序盤からペースを掴む可能性も。逆に金子が、蹴りを散らして鈴木を削ることが出来れば、後半にかけて優位となる。

那須川と武尊は-55kgで、軽量級とは思えぬ決定力を見せてきた。第1試合の両者ともKO宣言をしているだけに完全決着に期待がかかる。次世代のスターの座を虎視眈々を狙っているのだ。

続く第2試合の志朗vs.玖村は、鈴木vs.金子とは一味違った戦いになるだろう。いわゆるテクニック対決だ。志朗は、ムエタイがベースで以前は現地タイで猛者たちと戦っていたこともある。那須川天心と戦うためにRISEに参戦し、華麗なテクニックでファンを魅了してきた。抜群のタイミングのカウンターやハイキックなどの武器を持つ。

一方の玖村も、三日月蹴りやカウンターのフック、飛びヒザを高い精度で見舞ってくる。金子晃大とは、1勝1敗の戦績で、K-1の-55kgでトップ戦線に君臨してきた。

志朗のハイキックに対して、玖村は「当たらない」と宣言。志朗がどのような戦略を立て、試合に臨んでくるのか。ハイキックのみならず、破壊力のあるローキックで、玖村を粉砕する可能性も十分にある。

玖村は直近の試合で、以前にも増してパワーが付いてきたように思われる。リーチのある腕から繰り出されるカウンターの左フック、相手を悶絶させる三日月蹴りなどで、志朗を封じ込めることが出来るか。

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前に出てパンチや三日月蹴りを放つ玖村に対して、志朗がカウンターの右ストレートやローキックを合わせていく展開が予想されるが、2人とも多彩な技を持つため、どの攻撃がフィニッシュになってもおかしくない。

第3試合の江幡睦vs.璃明武は、上記2試合とは変わった見方のできる試合となった。江幡は、弟の塁と共にムエタイのラジャダムナンスタジアムのベルトを獲得すべく戦ってきた。本来は“ヒジありルール”で力を発揮してきた選手。近年からRISEに参戦を果たし、今回のチャンスをつかみ取った。

江幡が新日本キックで戦ってきた相手は、タイ人が多い。RISEやK-1などのキックボクシングとは異なり、3分5Rが基本で、タイ人の独特なリズムに対して、一発一発重みのある左右のローキック、ワンツーを軸に戦ってきた。巷では、その戦い方を“伝統のキックボクシングスタイル”と呼んでいる。

一方の璃明武は、デビュー時からKrushとK-1で長く戦ってきた。最近ではボクシングジムに通い、アッパーなど細かい技術を磨き、バックスピンキックやカーフキックなども使いこなす。まさに“次世代のキックボクシングスタイル”だ。

戦績の面でも大きく差がある。江幡は31歳で48戦、璃明武は21歳13戦と江幡が3倍以上の戦績を誇る。江幡としては、これまでのキャリアで培ってきた経験を活かして戦いたいところ。会見での「歴史を変える戦いをします」との言葉も覚悟を感じた。

だが、璃明武にはキャリア差を跳ね返すだけの実力があるのも確か。派手な蹴り技やカーフキックをコツコツ当て、ペースを掴めるかがカギとなる。

-55kgトップ選手の戦いは、ハイレベルな攻防になることは間違いない。インパクトを残して、次のスター候補に名乗り出るのは誰か。那須川天心、武尊に続くカリスマの誕生を期待したいところだ。

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