■「最高の教科書」ダビド・シルバ
一方、この試合で敗れたソシエダ側に『マルカ』の採点で満点の「3」がついた選手がいる。スペイン代表として2度の欧州制覇(2008、12年)と10年の南アフリカW杯優勝を経験しているMFダビド・シルバだ。
現在36歳になったレフティーは類まれなスキルを持つ司令塔で、ボールを持てば相手に奪われることは皆無に近い。特に相手が密集する狭いスペースでのターンは世界でも指折りの名人芸だ。
173cm、67kgの久保と170cm、67kgのシルバは、共に左利きの技巧派。左足でボールを持ち、何度も小刻みなステップを踏んでパスのタイミングを見計らうプレーなどは瓜二つだ。
しかし、久保にはシルバよりも大きく劣る部分がある。この日もトップ下としてプレーしたシルバは、FW起用の久保と効果的なポジションチェンジを繰り返した。バルサ守備陣に的を絞らせないシルバの巧みな動きによって、マークが剥がれた久保がボールを受けられる場面も多くなった。
サッカーでは司令塔タイプの選手は共存が難しいと言われるが、シルバは前所属のマンチェスター・シティでもベルギー代表MFケビン・デ・ブライネとW司令塔として機能していた。それは久保との関係でも見られるように、シルバは自らがボールを持たずともゲームメイクができる選手だからだ。「味方を活かすプレー」と聞くとパスを連想させるが、シルバのプレーを目にすると、それだけではないことが理解できる。
それに対して久保はまだまだ「ボールを持ってナンボ」の選手だ。経験を積む必要があるのは事実だが、まだまだおとりになる動きが少なすぎる。シルバという「最高の教科書」から学べることは多い。









