【MLB】大谷翔平とジャッジのMVP争いは「もはや神話レベルのバトル」と米紙が指摘 「ユニコーン vs. キメラ」

昨季はコミッショナー特別表彰まで受けた大谷翔平 果たして今季は… (C) Getty Images

シーズン終盤を迎え、個人タイトル争いも激しさを増してきたMLBでは、特に大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の一騎打ちとなっているMVPレースについて連日話題が尽きない。

エンゼルスの地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』は、この大谷とジャッジの争いを「battle of mythical creatures(神話上の生き物のバトル)」と表現し、歴史的なデッドヒートに注目した。

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■まったく別次元のマッチレース

『オレンジ・カウンティ・レジスター』は冒頭、「エンゼルスの二刀流スターとヤンキースのスラッガーは、これまで誰もやったことのないことをやっている。その価値を比較することは可能なのだろうか」と疑問をぶつけ、評価基準が投票者それぞれに委ねられている現状が、MVP論争を過熱させているとした。

その上で、今季については「ショウヘイ・オオタニとアーロン・ジャッジを巡る議論は、これまでとは別次元のようだ」と記し、「どちらもユニークなシーズンを過ごしているユニークな選手であり、ユニコーンとキメラ(※1)が対峙しているようなもの」と指摘した。

記事はまず、「投手・大谷」を称賛。「昨季より防御率(2.55)、WHIP(1.064)、与四球率(9回あたり2.2)などの数字を向上させつつ、より多くの投球回数を投げている。奪三振率はローテーション投手としてはトップだ」と記し、昨季よりギアの上がったパフォーマンスを評価した。「打者・大谷」についても「昨季より少し成績は落ちているものの、コンタクト力は上がっている」と賛辞を贈り、本塁打数の減少については問題視しなかった。

■マリスとマントルを合わせたシーズン

二刀流として充実したシーズンを送る大谷に対して、ジャッジは本塁打(57本)をはじめ、すべての打撃部門で上位を走っており、記事は「1961年にMVPを争ったロジャー・マリスミッキー・マントルの良いところを効果的に組み合わせたシーズンを過ごしている」と言及。その上で、「オオタニ=ベーブ・ルースという比喩に挑戦している」とつづり、MVPレースにおけるジャッジの立場を表現した。

記事は、投票に際して重要な指標となるWAR(※2)についても疑問を呈し、「オオタニのような二刀流選手の価値を数値化するのにWARが十分なのかどうか。WARが起草されたときには、オオタニのような選手はいなかった。先発投手兼DHで出場した選手が降板後もDHとして打席に立つことができる、いわゆる“大谷ルール”も今季から導入されたもので、WARでは考慮されていない」とし、二刀流の価値を計る指標としては不完全(※3)とした。

選手個人の成績で判断するのか、所属チームの状況・成績も考慮すべきか、そしてWARなどのデータはどこまで重視すればいいのか……。“価値”の解釈を巡り、今季はMVPという賞そのものを深く考えさせられる事態となっている。

(1)ギリシア神話に出てくる仮想の生物で、ライオンの頭、ヤギの胴、ヘビの尾を持ち、火を吐く怪獣。
(2)投球、打撃、守備、走塁などを総合的に評価し、「代替可能選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか」を表す数字。主にBaseball Reference、Baseball Prospectus、FanGraphsと3バージョンあり、MVP投票では重視される指標の一つとなっている。
(3)従来のWARでは投手とDHを兼務する大谷の特殊価値を正確に把握できないという指摘は以前からあった。すでに「FanGraphs」は「(WARも含めて)DHと投手という2つの顔を持つオオタニの価値を明確に定義する指標はない」とコメントしており、今回のMVP争いにおいて、WARが大谷にマイナスに働く可能性を危惧していた。

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文●SPREAD編集部


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