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【凱旋門賞/3連複10点勝負】タイトルホルダーに悲願を託す 伏兵は今年もドイツ馬か

【凱旋門賞/3連複10点勝負】タイトルホルダーに悲願を託す 伏兵は今年もドイツ馬か

日本時間2日深夜、仏国・パリロンシャン競馬場にて、世界最高峰の一戦、凱旋門賞(GI、芝2400m)が行われる。

日本競馬の悲願とも言える凱旋門賞制覇を目指し、今年は日本から史上最多となる4頭が参戦。欧州最強馬と目されているバーイードが出走を見送り、3歳、古馬、牡馬、牝馬と、多彩な顔触れが集結する混戦模様。抜けた存在はおらず、今年は日本勢の戴冠も十分に可能だろう。

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■日本勢が勝つならこのタイプしかいないタイトルホルダー

日本勢の大将格となるのが、レーティングでも出走メンバー中最上位に位置するタイトルホルダー。昨年の菊花賞で5馬身差をつけてGI初制覇を飾ると、今年は天皇賞・春で7馬身差の逃げ切り勝ち、宝塚記念でも2馬身差の快勝と、日本の中長距離戦線では現役最強に上りつめた。

初めての海外遠征、前哨戦を使わずぶっつけ本番、初めて背負う59.5キロの斤量、ロンシャンの馬場への対応、さらには、雨模様でおそらく悪くなる見込みの重馬場は初体験、そして、鞍上が海外経験の乏しい若手の横山和生騎手と、不安材料を上げれば、枚挙にいとまがない。

しかし、瞬発力や切れ味を身上とする日本調教馬が、ことごとくロンシャンの壁に阻まれてきたことは、これまでの歴史からも証明済みで、日本勢が凱旋門賞を制するには、逃げて自分でレースを作り、パワーを兼ね備え、かつスピードの持続力に長けた馬が、一番適しているのでは、と考える。それに最も合致するのが、今のタイトルホルダーではないか。

日本勢の大願成就を期待し、さらに、日本で発売する馬券としては上位人気に押される可能性は高く、期待ほどの妙味は低いが、抜けた存在のいない今年の凱旋門賞なら、日本の現役最強馬を中心に据えたい。

■ドウデュース、その前哨戦の使い方、本当に大丈夫?

一方、ダービー馬ドウデュースにも、期待が持てないわけではない。前哨戦のニエル賞は、完全に肩慣らしの4着で、これまでの歴史上初めて、本当の意味でのプレップレースとして叩き台に使った。これが吉と出るか凶と出るか、本番が終わってみないと分からないが、道悪の走り方に、ぎこちなさを感じたのは気になるところ。

例え、足慣らしの一戦だったとはいえ、21世紀以降、前哨戦のGII、GIIIで4着以下の馬が、本番で3着に入った例は皆無というデータも懸念材料で、タイトルホルダーが作った前残りのペースになり、後方から末脚不発、というシーンも考えられ、前者を本命とするならば、こちらはバッサリ切る方向で考えたい。

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また、昨年は14着に大敗したディープボンド。前哨戦のフォワ賞を制して臨んだが、結果的には一戦使っての中2週が、かえって仇となった格好だ。今年は前哨戦を使わずに、ぶっつけ本番で臨む点は、この馬にとっては良さそうだが、やはり日本でもGIを勝っていないだけに家賃が高い。

ステイフーリッシュは海外で重賞2勝と、7歳を迎えてもなおその実力は健在だが、過去10年で7歳以上の馬は【0.0.0.4】と出番はなし。さらに大外20番ゲートとなり、16番ゲートより外の枠は、過去30年遡っても未勝利と、厳しい枠に入った。両馬ともどこまで上位に食い込めるか、といったところだろう。

■愛チャンピオンS組は敗戦馬が上位に来る

海外勢では、過去10年で3勝2着2回と、本番に最も結びつきの強い、愛チャンピオンS組に注目したい。その中で最上位に取りたいのが、ヴァデニ。今年6月の仏ダービーで5馬身差の圧勝、古馬と初対戦となったエクリプスSでは、GI3勝のミシュリフを退けた。愛チャンピオンSでは、スムーズなレースができず3着に敗れたが、実力は3歳馬の中で上位の存在だ。

当初は英チャンピオンSを予定していたが、バーイードが参戦することになり、直接対決を避け、実を取りに来たとも言える。鞍上のC.スミヨン騎手が、直前に60日間の騎乗停止となったが、凱旋門賞は騎乗可能となり、並々ならぬ思いで勝ちにいくことが予想され、その点も強調材料となるだろう。

愛チャンピオンS2着のオネストは、2走前に今回と同舞台のパリ大賞を制しており、コース適性は他馬より抜きん出ている。前走は10ハロンで、距離適性の差で2着に敗れたが、12ハロンならこの馬の出番。愛チャンピオンSは勝ち馬よりも、敗戦馬のほうが、より本番で上位に来る傾向が強く、ヴァデニとともに逆転の目がありそうだ。

一方、愛チャンピオンSを制したルクセンブルクも注目の1頭だが、初めての2400m参戦が懸念材料。10ハロンまでしか経験がなく、そういうタイプの馬が凱旋門賞を制した例は、90年のソーマレズまで遡らなければならない。ブックメーカー各社は、軒並み本馬を1番人気に支持しているが、妙味を考えると、ここはバッサリ切ってしまうのも手だ。

■昨年に引き続き、ドイツ馬が穴を開ける

昨年は13番人気のトルカータータッソが優勝。今年も混戦模様だけに、隠れた実力馬が上位に食い込む可能性も捨てきれない。連覇を目指し、トルカータータッソも参戦するが、前走バーデン大賞でそのトルカータータッソを退けたメンドシーノに、今年は食指が動く。

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ブックメーカー各社で2番人気に支持されている、GI5連勝中のアルピニスタ。そのアルピニスタに、昨年8月のベルリン大賞でトルカータータッソは2着に敗れているが、その後、バーデン大賞1着をステップに凱旋門賞を制した。

メンドシーノは昨年11月、バイエルン大賞でアルピニスタと接戦を演じ2着に惜敗。アルピニスタを物差しに、トルカータータッソもメンドシーノも、実力的には拮抗しているのに、メンドシーノの評価は、そこまで高くないのが不思議なところ。まさに、おいしい実力馬と言えるだろう。

また、3歳のアルハキームも隠れた実力馬。前走のGII、ギヨームドルナノ賞で重賞初制覇を果たしたばかりだが、2走前の仏ダービーでは、前記オネストに先着を果たしており、当時は勝ったヴァデニ(3人気)より評価が高く、2番人気に支持されていた。ヴァデニ、オネストらと遜色のない力があるとすれば、ここでも十分に太刀打ちできるだろう。

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