【Xリーグ】初のNFL選手輩出へ「クロスオーバーアスリート測定会」実施 日本アメフト界の明日を担うか

10月のNFL IPPプログラム・インターナショナルコンバインに招待された富士通WR松井理己 撮影:永塚和志

まだ出ぬNFL選手輩出へ向けて、日本のアメリカンフットボール界が本腰を据える。

というと、少々大仰かもしれない。が、わずか1万8000人ほどと言われる国内での競技人口を鑑みても、何もせずにそれが実現するほど甘い世界でないのは事実だ。

7月初頭。日本アメリカンフットボール協会の委託を受けた形でXリーグが他競技の有望選手発掘等を目的とした「クロスオーバーアスリート測定会」の実施を発表した。

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■日本では大学からアメフトを始める例も

同リーグは先月末の会見で、測定会の報告を行った。それによると、野球やバスケットボール、サッカーといったチーム競技から陸上、柔道、水泳部など個人競技の運動部に所属する計30名が参加したという。

参加者は身体測定の他、40ヤード走や20ヤードシャトル、垂直跳びといったアメフトの能力測定で用いられる種目をこなした。参加者の名前や測定記録は非公表だったが、NFLのコンバイン(プロ入り志望選手を一堂に集めて実施されるトライアウト)でも注目度の高い40ヤード走では最速タイムは4秒81だったそうだ(NFLの最速クラスだと4秒2〜4程度)。

日本ではそもそも高校までは野球部で、大学からアメフトを始め、Xリーグでもプレーするという例は少なくない。

中には、アメフト以外でも高いレベルで競技をしていた選手もおり、例えば元日本代表のワイドレシーバー(WR)としてワールドカップにも出場している前田直輝(胎内ディアーズ)は、京都府立鳥羽高校在学時まではバスケットボールに熱中。全国大会の同府の地区予選では有名な双子の竹内公輔・譲次兄弟(公輔は現Bリーグ・宇都宮ブレックスに、譲次は同大阪エヴェッサ所属)らの洛南高校と争い、ベスト4にまで進出するほどの実績もある。

私は新聞記者時代、7年ほど前に前田に取材をしたことがあるが、バスケットボールではコート上で広く視野を持つ必要のあるポイントガード(PG)としてプレーしていたことが、アメフトでも役立っていると話していた。

NBAではアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティーシクサーズ等)、日本では田臥勇太(現・宇都宮ブレックス)が好きだったという前田は、バスケットボールで培った一歩目の速さは、WRとしても相手ディフェンダーを一気に抜き去る時に効果的だとも述べていた。

■桑田理介は阪神の佐藤輝明とバッテリーを組んだ

今回の測定会は「もう一つの甲子園」という謳い文句が付いている。甲子園といえば高校野球で有名だが、アメフトでも大学全国一決定戦は甲子園ボウルという同球場で行われている。つまり、甲子園を目指す高校球児に、アメフトでもそこを目指してみないか、といった趣旨だ。

現役Xリーグ選手の中にも、既に前例はある。オール三菱ライオンズのWR小田快人は近江高校の中堅手として2014年、夏の甲子園に出場。その後、関西学院大学からはアメフトへ転向し、甲子園ボウルに出場している。

パナソニック インパルスWRの桑田理介は、野球でもアメフトでも「甲子園出場」は叶わなかったが、仁川学院高校ではエースで主将を務め、現阪神タイガースのスラッガーで高校までは捕手も務めていた佐藤輝明とバッテリーを組んだこともあったという。


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