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【MLB】大谷翔平、MVPはジャッジに譲るも… 現地記者は「100回中99回受賞するシーズン」と賞賛

【MLB】大谷翔平、MVPはジャッジに譲るも… 現地記者は「100回中99回受賞するシーズン」と賞賛
大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports

MLBは17日(日本時間18日)、2022年シーズンの最優秀選手賞(MVP)を発表。アメリカン・リーグは、リーグ新記録となる62本のホームランを放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が選出された。2年連続のMVP受賞が期待されていた大谷翔平は2位だった。しかも、全米野球記者協会(BBWAA)が発表した内訳によると大谷が得た1位票は30票中2票。それもエンゼルス担当記者からだ。

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■「ジャッジの今年は歴史的」

MVPの発表を受け地元紙『オレンジカウンティ・レジスター』は、投票した記者の投票理由を次のように掲載している。

「9月下旬くらいまで迷っていた。大谷(の活躍)は一生に一度見られるかどうかのものだった。しかし、ジャッジのア・リーグで62本塁打も同じ。ジャッジがその数字の達成と三冠王に近づいた時点でジャッジを選び、次点で大谷だった」。
(『ジ・アスレチック』でボルチモア・オリオールズ番記者のダン・コノリー記者)

「大谷がやったことは、またしても驚くべきことで、これまで見たこともないような素晴らしいシーズンを過ごした。違う年であれば、彼が間違いなく受賞していた。しかし、ジャッジが今年やったことは本当に歴史的で、彼はチームのプレーオフ進出に貢献した」。
(『タンパベイ・タイムズ』でタンパベイ・レイズ番記者のマーク・トプキン記者)

「大谷のシーズンを当然と思わないことが重要だと感じました。『ファングラフス』によるジャッジのWAR(投・打・走・守を総合的に評価し、選手の貢献度を数値化する指標)が11.4で、大谷の9.5よりかなり差があった。MVPを決めるのは非常に難しいです。どちらも素晴らしくどちらにも投票できるぐらい」。
(『セントポール・パイオニア・プレス』でミネソタ・ツインズ番記者のベッツィ・ヘルファンド記者)

■大谷に投じた記者が理由説明

しかしエンゼルス地元ではこの結果に、少々不満を持ったようだ。元『ジ・アスレチック』のブレント・マグワイア記者はTwitterで「私はアーロン・ジャッジが勝つだろうと思っていたし、彼に対する議論は十分に説得力がある。しかし、オオタニとジャッジの票はもう少し僅差になると思っていた」と心境を吐露。

また、エンゼルス中継局『バリー・スポーツ・ウエスト』のエリカ・ウェストンは、大谷が無冠に終わったことについて「MLB史上最も注目されたシーズンで、それを示すハードウェア(賞)が一つもないのは、うーん」と率直な感想を投稿。彼女のツイートに同局の解説者マーク・グビザ氏は同調しながらも、「本当に馬鹿げているよ。(ただ)スポーツ史上最高のシーズンを毎日のように直に見てきたんだ。それは誰にも味わえないことだった。私たちは、恵まれていた」と反応。大谷の活躍を改めて称賛した。

そしてMVP発表後、大谷に投票した『ジ・アスレチック』のサム・ブラム記者は「私はなぜ大谷に票を投じたのか」という記事を執筆し、その理由を詳しく説明した。記事では、「私はジャッジに投票すべきだった理由は100個ある」としながらも「大谷は、100回中99回MVPを受賞するシーズンを過ごした」と述べ、Twitterでも「彼は間違いなく史上最高のシーズンを送った」と今季の大谷の凄さを改めて強調した。

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僅差になると思われたMVP争いは、結局ジャッジが28票獲得という形で幕を下ろした。エンゼルスの地元メディア関係者が言うように、大谷の活躍が賞という形で残らないのは残念だが、最後の最後までリーグを盛り上げた両者の活躍を讃えたい。

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文●澤 良憲(Yoshi Sawa)