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【Bリーグ】オールスター 大子中バスケ部による“スキルズ・チャレンジ”はソフトバンクアプリ“スマートコーチ”の賜物 「やり切ったことが立派」とロボッツ・コーチも太鼓判

【Bリーグ】オールスター 大子中バスケ部による“スキルズ・チャレンジ”はソフトバンクアプリ“スマートコーチ”の賜物 「やり切ったことが立派」とロボッツ・コーチも太鼓判
茨城ロボッツの落慶久コーチ(後列左)などに御礼メッセージ入り色紙を渡し記念撮影をするバスケ部のメンバーたち

ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」は14日、茨城県水戸市にあるアダストリアみとアリーナで開催された。つめかけたバスケットボール・ファンの中には、本戦に先立ち茨城県大子町立大子中学校バスケ部によるリモートコーチング supported by SoftBank Jr.スキルズ・チャレンジ”をご覧になった方も多いだろう。

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■遠隔地でもコーチを受けられる

これは元プロスポーツ選手やアスリートといった経験や知識があるコーチ陣より、タブレットなどを用い指導を受けることができるアプリ「スマートコーチ」を活用した取り組みの成果発表の場でもあった。

Bリーグ・オールスターの会場で千葉ジェッツ・富樫勇樹とともに、茨城県大子町立大子中学校のバスケットボール部のメンバー (C) B.LEAGUE

今回参加した茨城県大子町立大子中学校のバスケットボール部の子どもたちは、「スマートコーチ」を利用し茨城ロボッツのユースコーチから指導を遠隔で受けた。22年12月5日に一度対面による指導を受け、その際にアドバイス。その後は生徒たちの映像を見ながら遠隔での指導を続けた。「AIスマートコーチ」も活用。千葉ジェッツの富樫勇樹のジャンプシュート、パスや茨城ロボッツの平尾充庸のフリースロー、多嶋朝飛のドリブルといったプロのお手本動画を参考にしながら、骨格解析や真似して学ぶなどのスキルアップにも取り組んだという。

「AIスマートコーチ」を参考にするバスケ部のメンバーたち  (C) B.LEAGUE

■部活動の指導者不足にも対応か…

昨今、バスケットボールの指導者不足や、少子化の影響で部活動の廃部など、部活動を存続させること自体が難しい地域も増えている。茨城県大子町立大子中学校の顧問である齋藤怜太先生は、バスケットボール指導未経験者で、部活としてもおよそ4年間、試合に勝つことができなかったという。今回の取り組みを通し、「生徒から自発的に声が出たり、練習からやる気が増したり大きく成長した。精神的にも変化が見られた」と喜んでいた。先生自身も「新たな指導方法などを知ることができた」と語り、生徒だけでなく指導者にも学びがある仕組みであることがわかった。

「スマートコーチ」の実際の画面 画像提供元:スマートコーチ

 参加した大子中学校の佐藤優くんと益子和大くんは、オールスターのコート上でJr.スキルズチャレンジに挑戦後、記者からの質問に答えた。佐藤くんは「すごく緊張しました。やる前は失敗が怖かったけど、タイムオーバーせずできてよかったです」と安堵の表情を覗かせた。益子くんは「ドリブルやパスの上手な出し方やきれいなシュートフォーム、チームプレーなど細かいことを聞くことができました」と感想を語り、よりバスケットボールに対する興味が湧いたことを明かしてくれた。

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今回、遠隔で指導にあたった茨城ロボッツ落慶久ユース事業部長兼コーチは、12月にリアル開催での指導でシュートフォームについてメインでアドバイスを行なった。この日はスキルズチャレンジに挑戦する生徒たちの姿を、「頼むから(シュートが)入ってくれ」と祈るように見守っていた。「これだけの舞台、観客の目がある中で、きっちりと最後までやり切ったことを立派だなと思った。ドリブルの部分など見違えるように上達していた」と驚きつつ、参加した生徒たちを頼もしく感じていた。

オールスターの大観衆の前で「スキルズ・チャレンジ」に挑んだ佐藤くん (C) B.LEAGUE

また「骨格解析ではプロとの違いが一目瞭然だった。骨の動きがわかるという点は、コーチ目線では感覚でしか見られなかった。デジタルで表示できることはバスケットボールだけでなくスポーツをコーチングしていく上で非常に重要なこと」と語り、「AIスマートコーチ」が指導に大変役立つことを実感していた。ただ一方で、「リアルだからこそ伝えることができる熱量や、モチベーションを上げることなどは、デジタルの文章では難しい。我々の強みとして持っているべきではないか」とも付け加えた。

ソフトバンクの担当・コンテンツ推進総括部の星川智哉部長は「子供たちが一生懸命頑張る姿を見られてよかった」と今回の取り組みを振り返った。努力する姿だけでなく、生徒たちがベンチで見守る選手たちも一緒に盛り上がりながら楽しむ姿がとても印象的だった。今後について、「子供の環境においては、子供の数も減り指導者も減り、マイナースポーツがやりづらくなると思う。幅広くスポーツする環境を子供たちに提供するために、メジャースポーツに限らず人数が減少しているスポーツでも『スマートコーチ』などの仕組みを提供していく機会が増えるのではないか」と語った。各スポーツ界のトップ選手と自分自身をデジタルで比較するということは、子供のワクワクする心、やる気を刺激するだけでなく、コーチする大人にも多くの収穫がある。落コーチの言葉通り、リアルとデジタルの融合がスポーツ界でもより期待されると感じた。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。