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【プレミアリーグ】三笘薫、知将の下で見せる本格開花 新たな次元へ求められる25歳アタッカーの課題

【プレミアリーグ】三笘薫、知将の下で見せる本格開花 新たな次元へ求められる25歳アタッカーの課題
ブライトンの日本代表MF三笘薫(C) Getty Images

FIFAワールドカップカタール2022終了後、欧州各地で日本代表選手たちの活躍が続いている。特にイングランド・プレミアリーグのブライトンに所属するMF三笘薫が、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

ブライトンでの三笘はW杯後から主力の座を掴み、強豪リバプールとのFAカップ4回戦での決勝点を含め公式戦3試合連続ゴールを挙げるなど大活躍。その記録は2月11日のプレミアリーグ第23節、クリスタル・パレス戦で途絶えたものの、英放送局『Sky Sports』は、この試合の三笘にチームで2番目に高い「7.0」の採点を付与。

直近の公式戦8戦で5ゴール1アシストを挙げる三笘には“包囲網”が敷かれたものの、攻撃面ではワンタッチパスを駆使して巧みにチーム全体を前進させる頭脳的なプレーを披露。守備でも前に出てボールを奪ったり、自陣深くまで戻って相手のシュートをブロック。得意のドリブル突破を活かす場面は少なかったものの、これまでになく広範囲での活躍が高く評価された。試合は引き分けたものの、これでブライトンは年明けから公式戦7戦無敗(5勝2分)でリーグ戦では6位をキープ。三笘の先発定着がチームの快進撃に繋がっている。

◆ブライトンで躍動する“日本のジョーカー” 三笘薫  2022-23シーズン全ゴール集

■プロキャリア初の4試合連続フル出場

クリスタル・パレス戦の三笘は、前半に決定機を迎えながらも相手GKの好守に防がれた。不発に終わったものの、最後までピッチに立ち続けた三笘はこれで公式戦4試合連続のフル出場。意外にも、彼にとってはプロキャリア初の記録となった。

日本代表MF三笘薫 プロデビュー後の出場記録

三笘は筑波大学を卒業後、川崎フロンターレでプロサッカー選手としてのキャリアをスタート。約1年半の在籍期間に明治安田生命J1リーグで50試合に出場して欧州へと渡ったが、その50試合中でフル出場は僅かに4試合。特にプロ1年目だった2020年は30試合の出場で13ゴール12アシストと多くの得点に絡んでチームのJ1制覇に貢献したものの、リーグ戦での先発出場は11試合に限られていた。

その傾向は、昨季ブライトンからのレンタル移籍先だったベルギー1部のユニオン・サン・ジロワーズでも変わらず27試合中先発は16試合、ブライトンでの今季前半戦も同様だった。また、これまで三笘が日本代表として出場した13試合中、先発したのは4試合。フル出場は僅かに1回である。

■今年5月に26歳を迎える

サッカー界はコロナ禍直後、全世界的にシーズンが中断した。再開後には超がつくほどの過密日程となったこともあり、多くの国と地域で試合中の選手交代枠が従来の「3」から「5」に拡大された。

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三笘がプロデビューしたのはコロナ禍の始まりとなった2020年。交代枠5人制がなければ活躍の舞台が限定された可能性もある。彼はこの新ルールによって多くのチャンスを得て、大きな成果を収めた新時代の選手だ。

今年5月に26歳となる三笘は年齢的に中堅となるが、彼にはさらなる伸びしろを感じる。その背景には90分を通したゲーム体力やペース配分に課題があるからだろう。