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【MLB】一球も空振りしない男・吉田正尚、劇的復活の背景を公式サイトが分析 連続試合安打は16で止まるも称賛続く

【MLB】一球も空振りしない男・吉田正尚、劇的復活の背景を公式サイトが分析 連続試合安打は16で止まるも称賛続く
レッドソックスの吉田正尚(C)Getty Images

ボストン・レッドソックス吉田正尚が9日(日本時間10日)、敵地のアトランタ・ブレーブス戦に「2番左翼」で先発出場。1日から7日までの週間MVPを受賞した吉田だったが、この日は5打数無安打に終わり、更新中だった連続試合安打は16で止まった。試合も3-9で敗れた。

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■5月に入って初めての三振

吉田はブレーブス先発チャーリー・モートンに対し、第1打席は三飛。続く第2打席も39歳のベテラン右腕に手を焼き、3球続けられたカーブをすべて空振り。4月30日(同1日)以来となる三振を喫した。『NBCスポーツ』によると吉田は5月に入ってから1球も空振りしていなかったが、その男のバットが空を切る、珍しいシーンだった。

その後も快音は響かず、第3打席は三ゴロ、第4打席は遊ゴロに終わり、9回に回ってきた5打席目も二ゴロに仕留められた。この日は5打数無安打に終わり、打率は.308となった。試合は3-9で敗れ、チームは連敗となった。

更新が期待された連続試合安打は止まったが、吉田を巡る評価は急上昇。この日はMLB公式サイトが「吉田は本物か」と題して、記事を公開。4月までの不調から脱した背景をデータとともに特集した。

■スタンスにこだわり

開幕から4月19日(同20日)まで13試合に出場し、打率.167と苦しんだものの、20日(同21日)以降は16試合連続安打を記録するなど打率.438に急上昇。

記事がまず注目したのは打球角度。平均打球角度は当初マイナス5.1度で、メジャー全体では下から2番目に低い数字だった。そのため、記事は「もともと三振は少なかったが、バットに当ててもゴロになっていた」と指摘した。

しかし、20日(同21日)以降は5.9度に上昇。メジャー平均の12.1度は下回るものの改善傾向に入った。それに伴い、予測打率は.182から.403へ、予測長打率は.275から.730へと劇的に上がった。

記事は続いて「もともと選球眼の良さと速球に対する強さはあった」とし、序盤苦戦した理由に変化球を挙げた(20日以前は変化球に対して打率.053、長打率.105)。しかし、20日以降は打率.409、長打率.818にアップしたと紹介し、変化球を攻略した現状を称賛した。

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打球角度が上がり始め、変化球にもアジャストしたことで好成績を生んだ吉田だが、そもそもそれを可能にした理由はどこにあるのか。記事はフォームの微調整に注目。吉田は打撃コーチのアドバイスを受けながら修正し、「バッティングフォーム、特にスタンスにはこだわっている」とコメント。オープンスタンス気味に構え、両目でボールを見やすくしたそうで、「スイング的には何も変えていない」と語った。

メジャー1年目で早くも修正力、適応力の高さを見せつけている吉田。今後訪れるであろう新たな試練も乗り越えてくれるはずだ。

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文●SPREAD編集部