Advertisement

【ボクシング】中谷潤人、残り12秒で壮絶KO決着 WBO世界スーパーフライ級の王座に

 

【ボクシング】中谷潤人、残り12秒で壮絶KO決着 WBO世界スーパーフライ級の王座に
中谷潤人(左)の左がマロニーの顔面を捉える (C) Getty Images

日本の若大将、中谷潤人(M・T)が20日(日本時間21日)、米ラスベガス・MGMグランドのリングに上がり、壮絶なKO勝ちでアンドリュー・マロニー(オーストラリア)を倒し、WBO世界スーパーフライ級の王座についた。

◆【実際の映像】中谷潤人、衝撃的な残り12秒KO勝ちのシーン

■左オーバーハンドフックで決着

まさに劇的な勝利だった。

試合は第12ラウンド終了まで12秒、力を込めた左のオーバーハンドフックが見事なカウンターとなり、マロニーが3度目のダウン。レフリーが即座に腕を交差して試合終了を告げた。メインイベントにデビン・ヘイニー(アメリカ)とワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の4団体統一世界ライト級タイトルマッチがある注目の興行。世界のボクシングファンにこれ以上ない強烈なアピールをした。

試合は序盤から中谷ペース。第2ラウンドには、左アッパー2発から右アッパーという芸術的なコンビネーションでダウンを奪うと、マロニーが入ってくるところにアッパーと左ストレートでダメージを与え続けた。

そして、中盤にマロニーの接近戦にペースを取られると、第7ラウンドからは右ジャブを中心としたアウトボクシングにスタイルを変え引き出しの多さを披露。第10ラウンドには真っ直ぐに伸びる長いストレートで2度目のダウンを奪った。

そして、第12ラウンドに衝撃の結末だ。

同じ圧勝でも、KOと判定では価値が違う。元チャンピオンを衝撃的なKOで破ったことによってビッグマッチに向けて視界が開けたといえるだろう。

しかし、課題も明るみに出た。

Advertisement


フライ級では圧倒的な勝利を重ねてきたが、この試合ではロープに詰まって連打を浴びるシーンがあった。スーパーフライ級にはファン・エストラーダ(メキシコ)、ローマン・ゴンザレス(ニカラグア)という経験豊かな超一流のボクサーがいる。IBF王者のフェルナンド・マリティネス(アルゼンチン)もかなり強い。これらの強豪は、マロニー以上の攻撃力で向かってくるだろう。

さらに「逃げた」と陰口を叩かれている元WBOチャンピオン、井岡一翔(志成)もジョシュア・フランコとのWBA世界タイトルマッチに勝てば、ボクシング人生をかけて中谷との対戦を望むに違いない。日本人同士の頂上対決は、誰もが見たいカードだ。

いずれにしても、今回のKO勝ちで中谷の次戦は大いに楽しみになった。誰と戦ってもスリリングなビッグファイトととなるだろう。

◆戦場から帰還したウクライナの英雄ワシル・ロマチェンコが挑むデビン・ヘイニー戦展望

◆“モンスター”井上尚弥、那須川天心は「技術が非常に高く、気持ちが強い」

◆「最後は気持ちの戦い」寺地拳四朗、9回TKOで挑戦者との激闘を制す 3団体統一は流れるも「またひとつ強くなった」

著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

Advertisement


ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。