【全仏オープン】赤土の王者ラファエル・ナダル欠場の中、西岡良仁・ダニエル太郎の躍進なるか 

 

【全仏オープン】赤土の王者ラファエル・ナダル欠場の中、西岡良仁・ダニエル太郎の躍進なるか 
赤土の王者ラファエル・ナダル (c)Getty Images

2023年の全仏オープンローラン・ギャロス)は現地時間28日に開幕。初夏のパリを彩るヒーローたちが赤土の戦いに火花を散らす。

日本からは西岡良仁ダニエル太郎が本戦から登場。22日から始まっている予選では内島萌夏、本玉真唯が3回戦へ進む活躍を見せたが、あと一歩のところで敗退、本戦出場とはならなかった。ただし、日比野菜緒は予選で敗れたものの、ラッキールーザーとして本戦出場が確定している。予選第7シードで挑んだ綿貫陽介は2回戦、内田海智、野口莉緒、望月慎太郎、グランドスラム初出場の坂詰姫野と細木咲良は1回戦敗退となった。

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日本のテニスを変えるか ツアー2勝目を挙げた西岡良仁 (C) Getty Images

■西岡、ダニエルにかかる期待

日本のエース西岡良仁は第27シードで登場。1回戦では49位のジェフリージョン・ウルフ(アメリカ)と対戦。昨年のコロンバス・チャレンジャー2回戦で対戦した際には、西岡がファイナルセットの末に勝利を挙げている。クレーコートでは初対戦となり、ウルフの強打を西岡の巧みな戦術にはめ込めるか。

ダニエル太郎は85位のクリストファー・オコネル(オーストラリア)と対戦。オールラウンドプレイヤーとして攻守ともに安定したオコネルをどう切り崩すかに注目したい。共に順調に勝ち上がれば、西岡は3回戦で第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と、ダニエルは2回戦では第1シードのカルロス・アルカラスと対戦する。

ダブルスには男子73位のマクラクラン勉がアンドレ・ゴランソン(スウェーデン)とペアを組み、西岡良仁はイリ・べセリ(チェコ)とエントリーしている。女子は前年度ミックスダブルス優勝を果たした柴原瑛菜と日本のエース青山修子の「青柴ペア」がパリでビッグタイトルを獲得できるか。また今季ツアー1勝を飾っている加藤未唯とアルディラ・スーチャディ(インドネシア)ペアや、二宮真琴/モニカ・ニクレスク(ルーマニア)ペア、穂積絵莉/ウルリッケ・アイケリ(ノルウェー)の快進撃に期待したい。

ジュニア部門には坂本玲、松岡隼、斎藤咲良、クロスリー真優、石井さやか、小池愛菜、木下晴結の7名が本戦から出場。予選には園部八奏、辻岡史帆が登場する。未来のスター候補に誰が名乗りをあげるのか、日本のジュニア勢の活躍も楽しみだ。

■小田凱人は史上最年少記録達成になるか

全豪オープンに挑んだ16歳の小田凱人(C)ロイター

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6月6日には車いすテニスが開幕。昨年から出場枠を増やしている全仏では、今年は12名から16名に枠を広げた。世界中から注目を浴びる17歳の小田凱人は、王者のアルフィー・ヒューイットに61ポイント差で現在ランキング2位につけている。優勝すれば無条件に最年少世界ランキング1位を達成することになり、準優勝以降であってもヒューエットの結果次第では今大会で1位の座を奪う可能性がある。

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そして小田と同じく頂点を見据えるのは6位の三木拓也、8位の眞田卓、12位の荒井大輔だ。女子は上地結衣を筆頭に、大谷桃子、田中愛美、船水梓緒里が登場。2021年の全豪以降、負けなしの女王ディーデ・デグルート(オランダ)に誰が土をつけるのか注視したい。

クアードクラスには日本のエース菅野浩二が登場。41歳の菅野は今月にXI トーネオ・ファンデーション・エミリア・サンチェス・ビカリオ(ITF2)で単複優勝。今季初タイトルを追い風に今大会へ挑む。

■トップシード勢にかかる期待は…

ノバク・ジョコビッチ(C)ロイター

今年の全仏オープン賞金総額は12.3%増額され、総額4,960万ユーロ(約73億6,560万円)となった。全仏で過去14度優勝している赤土の王者ラファエル・ナダル(スペイン)は怪我のため欠場。ナダル不在の全仏は実に2004年以来となる。そのナダルとグランドスラム優勝回数が史上最多22回に並んでいるノバク・ジョコビッチ(セルビア)が現世界王者アルカラスやメドべージェフにどう太刀打ちするかにも注目が集まっている。

女子で好調と言えば、現在キャリアハイ4位を記録しているエリナ・リバキナ(カザフスタン)だろう。昨年のウィンブルドン覇者は全豪準優勝に続き、第2のグランドスラムと呼ばれるBNPパリバ・オープン(WTA1000)を制覇。今大会の前哨戦となったBNLイタリア国際(WTA1000)でも優勝し、3種のサーフェスで安定した勝ち上がりを見せている。

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2位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)はクレーシーズンに入ってから、女王イガ・シフィオンテクに1勝1敗の成果をあげた。昨年チャンピオンのシフィオンテクにとっても、この2人はかなりの好敵手だろう。いったい誰がパリの栄光を掴むのか。赤土の熱い戦いが今始まる。

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著者プロフィール

久見香奈恵●元プロ・テニス・プレーヤー、日本テニス協会 広報委員

1987年京都府生まれ。10歳の時からテニスを始め、13歳でRSK全国選抜ジュニアテニス大会で全国初優勝を果たし、ワールドジュニア日本代表U14に選出される。園田学園高等学校を卒業後、2005年にプロ入り。国内外のプロツアーでITFシングルス3勝、ダブルス10勝、WTAダブルス1勝のタイトルを持つ。2015年には全日本選手権ダブルスで優勝し国内タイトルを獲得。2017年に現役を引退し、現在はテニス普及活動に尽力。22年よりアメリカ在住、国外から世界のテニス動向を届ける。