ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は29日(日本時間30日)、敵地でのフィラデルフィア・フィリーズ戦に「2番DH」で先発出場。
5打数3安打2打点と気を吐いたものの、チームは7-12で逆転負けを喫し、3連敗となった。借金は7に膨らみ、終戦ムードが漂うなか、エンゼルスの前打撃コーチが右ひじ靭帯を損傷した大谷にエールを贈った。
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■「両方やった方が彼のため」
米スポーツメディア『The Athletic』のインタビューに応じたのは、エンゼルス前打撃コーチのジェレミー・リード氏。右肘じん帯を損傷した大谷について、二刀流継続を支持した。
まず、リード氏は「彼はこれまで見てきた選手と違う。向上するために絶えず努力し、欠点も修正してきた」ことを踏まえ、「エリートレベルで投打両方を続けることができる」と断言した。
さらに、同氏は二刀流を可能にする大谷の特徴について触れ、「彼は投打2つのタスクや役割を考えるとき、それらのうち1つに特化することなく、両方均等にエネルギーを注ぐ能力がある」と明かし、「両方やった方が彼のためになると心の底から信じている。打撃と投球の両方に集中している時がベスト」と訴え、二刀流継続を支持した。
■「イチローと同じ集中力」
それでも、打者一本がしばらく続くことは確実。その上で、リード氏はトミー・ジョン手術明けの2019、20年も打者に専念したことを念頭に、当時よりうまく適応すると予想。「彼は試合の中で成長し、19年の頃とは比較にならない。今の打席での成熟ぶりは、毎年50~60本の本塁打を打てることを示している。彼がペースを落とすとは思わない。今回のことが、彼の打撃における生産性に支障をきたすとは少しも思わない」と話し、打者一本でもメジャーを代表する存在だと強調した。
「いずれにせよ、大谷がバットを一振りするだけで、ゲームをどれほど変えることができるか、それは信じられないほどだ。私は、彼が迷ったりすることはないと思う」と話し、リハビリ期間の過ごし方も含めて全幅の信頼を寄せた。
現役時代、シアトル・マリナーズでイチローと5シーズンに渡ってチームメートだったリード氏。「大谷の集中力はケタ外れだ。とてもイチローを思い出すよ。いや、これはジョークだ。彼らはやり方が違う」と笑い、最後は「大谷はきっと大丈夫さ」と楽観視した。
現時点で症状の詳細や手術するのかどうかも不明だが、しばらく打者専念となっても、圧倒的なパフォーマンスを発揮してくれそうだ。
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文●SPREAD編集部