【凱旋門賞】イクイノックスは勝てたのか、ステイゴールドの系譜が示した「海を越える勇気」と「プランB」

 

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凱旋門賞を無敗で制したエースインパクト(C)ロイター
凱旋門賞を無敗で制したエースインパクト(C)ロイター

第102回凱旋門賞(GI、芝2400m)は10月1日、仏・パリロンシャン競馬場で行われ、仏ダービー馬エースインパクトがデビューから無敗の6連勝で制した。

日本調教馬のスルーセブンシーズは4着と大健闘を見せ、5着には日本生産馬であるハーツクライ産駒のコンティニュアスと、日本競馬の爪痕を残した。

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■レース後、SNSのトレンドには「イクイノックス」

IFHA(国際競馬統括機関連盟)ロンジン・ワールドベストレースホース・ランキング1位のイクイノックスは出走せず、宝塚記念で本馬にクビ差2着と迫ったスルーセブンシーズが日本調教馬として唯一の参戦となった今年の凱旋門賞。

JRAのオッズでは単勝4番人気に支持されたスルーセブンシーズだが、馬連や三連複、三連単は売れず、いわゆる「応援馬券」の印象だった。

しかし直線、後方待機から馬群を縫うように末脚を伸ばしたスルーセブンシーズは4着。2着ウエストオーバーはドバイシーマCでイクイノックスに3馬身半差の2着と完敗した馬であり、レース後にはSNSのトレンドに「イクイノックス」が上がるなど、“タラレバ”が飛び交った。

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では、イクイノックスは今年の凱旋門賞に出走していれば、勝てたのか。

■掲示板を独占した高速決着に強い馬たち

今年の凱旋門賞は24時間の降水量0ミリメートル、最高気温27度と好天に恵まれ、当日は「BON SOUPLE a BON(稍重~良)」と馬場コンディションは良好だった。

勝ち時計2分25秒50はパリロンシャン競馬場で施行されるようになった2018年以降、最速。エースインパクトが記録した上がり3F33秒06という数字は、極めて日本の競馬に近いレースだったことを証明している。

前述の日本調教馬と日本生産馬の健闘はさることながら、エースインパクトは仏ダービーを2000m地点1分56秒90、芝2100mの勝ち時計2分02秒63という驚異的なレコードで制した馬であり、欧州馬としては珍しいスピードタイプ。

そして、2着のウエストオーバーも従来のレコードを1秒も更新した2分25秒65のドバイシーマC2着馬。3着のオネストは軽い馬場を求めて昨年のジャパンCに参戦した馬だったことを考えると、明らかに今年のパリロンシャンは「日本馬仕様」と言えるものだった。

イクイノックスがエースインパクトの末脚に勝ったかどうかはわからない。だが、日本馬にとっては、またとないチャンスだったと断言できるのが、今年の凱旋門賞だった。

■道悪の凱旋門賞はスクラッチすればいい

当日のパリロンシャンの天候はわからない。

しかし、海外では馬場が極端に悪化した場合、スクラッチ(出走取消)という制度があり、これを活用すれば日本馬も無理に道悪の凱旋門賞へ出走する必要はない。

2018年、エースインパクトの父クラックスマンは前哨戦・ニエル賞を圧勝した後、凱旋門賞と英チャンピオンSへダブル登録。馬場悪化を理由に凱旋門賞を回避、翌週の英チャンピオンSを制し芝10Fの最強馬となっている。

天候に合わせた「プランB」が用意できれば、日本馬の挑戦はより積極的になる。無論、クラブ法人の所有馬なら出資者のツアー観戦や遠征費など「大人の事情」はあり、フランスからイギリスへ遠征先を変更するのは容易ではないが……。

それでも、まずは海を越える勇気こそが、歴史を動かす原動力となるはずだ。

年度代表馬、ダービー馬、グランプリホース……トップホースたちの惨敗に影を落とした日本競馬界に再び希望の光を灯した存在が、最も頂点に近付いたステイゴールドの系譜を継ぎ、そして「七つの海を越えて」と命名されたスルーセブンシーズだったのは、何かのメッセージに思えてならない。

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(T.Yamada/SPREAD編集部)

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