日本時間5日、米国・サンタアニタパーク競馬場にて、ブリーダーズカップデーが開催。メインレースとなるダート中距離のチャンピオン決定戦、ブリーダーズカップクラシック(GI、ダ2000m)は、ドバイワールドカップを制したウシュバテソーロに、日本馬初優勝の期待が寄せられている。
また日本からは、UAEダービーを制したデルマソトガケも参戦。ダート大国の米国勢に対し、どんな戦いを見せてくれるだろうか。
◆【BCクラシック2023予想/馬単5点買い目】アメリカ勢筆頭格は“軽視” 先行力重視の相手5頭
■高い壁をはねのけたいウシュバテソーロ
ウシュバテソーロの世界制圧が見えてきた。昨年暮れの東京大賞典で重賞初制覇を飾ると、続く川崎記念も制してGI連勝。初の海外遠征となったドバイWCでは、最後方から勝負どころで徐々に進出し、直線は大外一気の末脚で世界の強豪を突き放して2着に2馬身3/4差の快勝劇。日本馬として初めて、砂のドバイWCを制した。
次の目標をBCクラシックに定め、秋は船橋の日本テレビ盃から始動。完全に叩き台といった様相ながら、好位から危なげなく抜け出す完勝劇。それまで後方一辺倒の極端なレースしかしてこなかった同馬が、好位差しという新たな一面を見せ、収穫のある一戦だった。
いよいよダートの本場、米国での大一番。過去、同一年にドバイWCとBCクラシック両方を制した馬はおらず、米国調教馬以外の馬が勝ったのも、過去39回の歴史上、わずか2回。過去10年で6歳以上の馬の複勝圏内はゼロと、ウシュバテソーロが越えなければいけないハードルは高い。
しかし、各ブックメーカーで1~2番人気に支持されていたアルカンジェロが出走取消となり、ライバルが1頭いなくなったのは歓迎材料。2021年のBCディスタフで、日本調教馬初優勝を果たしたマルシュロレーヌと同じ、父オルフェーヴルの血が再び米国の地で騒ぐことも期待できる。昨年勝利したフライトラインのような圧倒的な存在もおらず、混戦模様であるならば、日本馬初のBCクラシック制覇へチャンス大といえるだろう。
■デルマソトガケもチャンス十分
もう1頭の日本馬、デルマソトガケもノーチャンスではない。2歳暮れに全日本2歳優駿を制してGI初制覇を飾ると、今年は海外のレースを転戦。サウジダービーで3着に好走し、迎えたUAEダービーでは鞍上ルメールの好プレーも光り、鮮やかな逃げ切り勝ちで海外重賞初制覇を飾った。
果敢に挑戦したケンタッキーダービーではスタートの出遅れが大きく響き、道中は思うようなポジションが取れず、伸び脚もジリジリ。それでも6着に健闘しており、スタートが五分ならもっと差は詰められたはずだ。
今回は半年ぶりの休養明けとなり、その点はマイナス材料だが、海外を転戦してきた経験値は、ウシュバテソーロにも引けは取らない。また3歳馬は過去10年で4勝と、最も多く勝ち馬を輩出しており、古馬の57キロに対し、55.5キロで臨めるのも好材料だ。あとは“スタートさえ決まれば”というのが陣営の願いだろう。
■米国の筆頭格はキャリア不足か
アルカンジェロが出走取消となり、米国勢の筆頭格となるのが、3歳のアレイビアンナイトか。ケンタッキーダービーの有力候補と言われていたが、故障により三冠への参戦は叶わず。
復帰戦のハスケルS(GI)こそ3着に敗れたが、前走のパシフィッククラシックSで逃げ切り勝ちを果たしGI初制覇。BCクラシックでは先手を奪った馬が有利な傾向にあり、脚質的にも怖い存在だ。
しかし、まだキャリア4戦という経験値の浅さがネック。BCクラシックでは、2022年のフライトライン、16年アロゲートと、最小キャリアでの優勝は6戦目であり、そのあたりがポイントとなりそうだ。