「引退調教師の馬は走る」という噂は競馬ファンの間で知られ、中には「引退ヤリ」という言葉まである。
無論、周りの出走馬が華を持たせるということはないが、厩舎最後の出走となれば、抜かりなく仕上げ1勝でも多くの勝ち星を狙ってくるのは当然と言える。
◆【引退調教師ラストウィークの狙い目一覧】出走馬77頭のうち“勝負”の厳選13頭をピックアップ
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ここでは、2、3日の中山・阪神・小倉開催でラストウィークを迎えるJRA調教師7名の出走馬から、馬券の狙い目を紹介する。
■残り4勝で1000勝の安田隆師
現在、JRA通算965勝を誇り、地方・海外を含め通算1000勝まで残り4勝としているのが、栗東・安田隆行調教師。
騎手時代にはトウカイテイオーで皐月賞と日本ダービーを制し、調教師に転身後は国内外GI6勝のロードカナロア、2011年の最優秀短距離馬カレンチャンなどを輩出し、稀代の「短距離王国」を築いた。
安田隆師がラストウィークに送り込むのは土日計19頭。土曜中山11R・オーシャンS(GIII、芝1200m)には、ロードカナロア産駒のジュビリーヘッド(牡7)が出走し、思い出の舞台とゆかりの血統でスプリント重賞Vを狙う。
土曜競馬の安田隆厩舎で、最も勝ち負けが期待できるのは、阪神12R・4歳上2勝クラス(芝1400m)に出走のケイデンシーマーク(牝4)か。3走前に1勝クラスを勝ち上がり、現級は3→2着とあと一歩。中間は前述のジュビリーヘッドと併せるなど、負荷をかけた調教メニューからも本気度がうかがえる。
■ラストは「小倉の安田」に注目
また、「小倉の安田」の異名持つだけに土曜小倉12R・4歳上1勝クラス(芝1200m)に出走のコーリングユー(牝5)は勝機あり。前走同コースで2着と好走した同馬を除けば、着外の馬がずらり。ここは星勘定に入っているはずだ。
安田隆師の出走馬は、その小倉の日曜開催に集中。師もラストは現地に向かう予定であり、小倉の8頭からは目が離せない。
とりわけ、日曜小倉11R・関門橋S(4歳上3勝クラス、芝2000m)に出走のエーデルブルーメ(牝5)は注目。前走・寿Sはゲートが遅く後方からの競馬も、直線は馬群を割って2着。ゲートがスムーズだったらと思わせる内容で、ここはメンバーが揃ったが、上位進出は可能と見た。
安田隆師を含め、引退調教師7名のうち狙い目の出走馬は以下の通り。今年もドラマチックな有終Vは生まれるのか、ラストウィークに注目したい。