5日に東京競馬場で第29回NHKマイルC(GI、芝1600m)が行われる。
1995年まで日本ダービーのトライアル競走として施行されていた「NHK杯」を前身としている本レース。1996年、GI昇格後から今年で29回目を迎えるが、最優秀2歳牡馬と最優秀2歳牝馬が対決するのは初。
皐月賞3着のジャンタルマンタルと桜花賞2着のアスコリピチェーノの2強ムードが高まるが、波乱の多い3歳のマイルGIにおいてどちらともに重い印は打っていられないのが競馬ファンの性だろう。そこで1996年以降のNHKマイルCにおける、朝日杯FS出走馬および勝ち馬、阪神JF出走馬および勝ち馬の傾向を調べてみる。
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目次
■2歳GI勝ち馬は堅実に駆ける傾向
GI昇格後、朝日杯FS(阪神)出走馬は【5.1.3.34】勝率11.6%、複勝率20.9%と悪くない成績。1着馬は【1.0.1.1】と大崩れは見せておらず、朝日杯FSを制して最優秀2歳牡馬に輝いた馬は【1.0.0.1】。サンプル数は少ないが、2019年のアドマイヤマーズが勝利を収めている。ジャンタルマンタルはアドマイヤマーズと戦歴が酷似しており、いい結果をもたらしそうな雰囲気にある。
阪神JF出走馬は【3.3.0.15】勝率14.3%、複勝率28.6%と、朝日杯FS出走組を若干上回る。1着馬は【1.1.0.0】、阪神JF制して最優秀2歳牝馬に輝いた馬も【1.1.0.0】で、いずれも2016年1着のメジャーエンブレムと20年2着のレシステンシア。アスコリピチェーノにとってはかなり追い風データだ。
いずれも勝ち負けの可能性が高そうだが、過去10年で1番人気と2番人気でのワンツー決着は1回のみで、上位人気2頭が1、2着になる馬券は避けたいところ。そこで人気に目を向けると、朝日杯FSで1番人気だった馬は【0.0.0.4】と結果が出ておらず、阪神JFで1番人気だった馬は【2.0.0.1】と優勢。多種多様なローテーションが増えているが、牡馬はホープフルS組もおり、比較的、王道路線が確立されている牝馬の方が実績上位馬に揺るぎがないのかもしれない。
■皐月賞組と桜花賞組で明暗
2歳マイルGI出走馬では「やや牝馬優勢」という結果だったが、皐月賞組と桜花賞組で比較すると明暗が分かれた。
1996年以降、皐月賞組【2.4.5.43】勝率3.7%、連対率11.1%、複勝率20.4%に対して、桜花賞組は【4.3.0.17】勝率16.7%、連対・複勝率29.2%と、倍以上の成績を誇る。前走5着以内で見ても、皐月賞【2.1.2.3】、桜花賞【3.2.0.5】で連対率に差があり、前走2番人気以内でも皐月賞【1.1.1.0】、桜花賞【2.1.0.1】と、勝ち負けでは牝馬が優勢だ。
またジャンタルマンタルには「皐月賞がレコード決着だった」という懸念材料がある。今年の皐月賞は、従来のコースレコード1分57秒8を0秒7も上回る速い時計での決着となった。メイショウタバルの大逃げの影響はあったものの、前半3F34秒2の速い流れを先行して3着。力は素直に評価するところだが、ここまでまとまった休みを取らずにきた過程に加えて、本質的には長いとジャッジされた2000m戦でレコード決着。消耗度の高さを思うと、今回取りこぼしがあっても驚けない。また共同通信杯は皐月賞を目指してのローテ。もちろんその後のレースを考えないなんてことはないが、箔をつけるならクラシックを勝ちたいというのが陣営の本音だったと考えられる。
一方、アスコリピチェーノは阪神JF→桜花賞と今回が休み明け2戦目。前走は熱発の影響で入厩が遅れ、若干急仕上げでの出走。そこから中3週で、中2週のジャンタルマンタルよりも余力があると考えるのが自然だろう。
川田騎手とルメール騎手、トップジョッキーが跨る実績上位馬だが、2強ならアスコリピチェーノを推奨したい。
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