19日に東京競馬場で行われるオークス(優駿牝馬/GI、芝2400m)の過去10年のデータを紹介する。
桜花賞馬のステレンボッシュをはじめ、桜花賞3着のライトバック、チューリップ賞勝ち馬のスウィープフィートに前走フローラSを勝利したアドマイヤベルらが出走予定。
ここでは過去10年のデータから、予想のヒントになる「前走ローテ」を分析していく。
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目次
■桜花賞組が7勝も、逃げ・先行馬は注意
前走・桜花賞組は過去10年で、7勝・連対5回・3着6回と全てが最多。牝馬クラシックの中でも特に重視される大レースだけにそもそも能力上位の馬が集まっており、このレースで3着以内に好走した馬は【7.2.3.12】と複勝率も50%と高い。逆に桜花賞で3着以内に好走したものの、オークスでは4着以下だった12頭のうち8頭が「前半600mの通過順で5番目手以内の逃げ・先行馬」だった。桜花賞では古馬になってスプリント路線を進むようなスピードタイプの馬でも通用するが、やはり2400mのオークスとなると、世代戦といえどもある程度の長距離適性が必要になってくるのだろう。
桜花賞【7.5.6.63】
忘れな草賞【2.0.1.8】
フローラS【1.3.1.39】
スイートピーS【0.1.0.2】
フラワーC【0.1.0.8】
矢車賞【0.0.1.0】
皐月賞【0.0.1.0】
続く2勝は前走・忘れな草賞組。勝率18.2%・連対率18.2%・複勝率27.3%、回収値は単勝98・複勝112と、「率」でも「回収値」でも他ローテ組と比較してトップクラスに高い。とはいえ、前走勝利して参戦した馬が過去10年で9頭と、ほとんどの馬がこのレースを勝ってから参戦しているので、その年の勝ち馬が通用するのかどうかの吟味は必要になってくる。
タガノエルピーダは昨年の朝日杯FSで勝ち馬のジャンダルマンタルから0秒2差の3着と好走しており能力の高さを証明済み。注目すべきは今年の忘れな草賞が過去10年で3番目に速いタイムだったという点。このレースに参戦し、オークスで3着以内だった3頭は全て「2分台」で勝利しており、それを上回るタガノエルピーダは十分資格があると見ていいだろう。ただし、阪神の前開催は全体を通して時計が速かったものの、この時期の牝馬が2000mを1分59秒4で快勝した反動については、追い切りや調整過程で取捨したいところだ。
一方、比較的相性が悪いといえるのが前走・フローラS組。勝率2.3%・連対率9.1%・複勝率11.4%、回収値は単勝20・複勝33と、いずれも上記の桜花賞組・忘れな草賞組以下。フローラSで3着以内に好走した馬だけを取り上げてみても【1.3.0.21】と成績は振るわず。フローラSで4着以下に負けてからオークスで3着以内に巻き返した馬も2016年3着のビッシュのみということで、今年の該当馬であるアドマイヤベル、ラヴァンダ、サンセットビューらは、いずれも高い評価ができない。
■スイートピーS組は複勝回収値466
注目は「複勝回収値466」の前走・スイートピーS組。サンプル数は3頭と少ないが、2019年にカレンブーケドールが2着(タイム差なし)、21年にはタガノパッションが惜しくも4着(0秒3差)、20年のデゼルは11着(0秒7差)と、全馬それなりに走っていることがわかる。あわや勝ちまであったカレンブーケドールは、先行して速い上がりも使える「操縦性とキレを併せ持つ差し馬」だったが、今年この組から参戦するコガネノソラも比較的似たようなタイプ。前走は道中の通過順【6-8-8】から上がり最速の末脚で大外から差し切って勝利した。3連勝中と勢いもメンバー中No.1なので、ヒモ穴として狙ってみるのは面白そうだ。
最後に連対1回の前走・フラワーC組。こちらもサンプル数は9頭と少ないが、連対・複勝率11.1%で、フローラS組より連対数・複勝率が若干高い程度。今年の勝ち時計1分48秒0は、過去10年で2番目に速い時計だが、それより速い時計で勝利した2019年のコントラチェックは9着に敗れている。勝ち時計は優秀でもこのローテからの出走馬には過剰な評価はできないだろう。
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