【MCS南部杯/3連単36点】調教で“併走遅れ”レモンポップの評価は 「一発逆転」狙うなら人気盲点のJRA所属馬

レモンポップ/2023年フェブラリーS(C)Toshihiko Yanagi
レモンポップ/2023年フェブラリーS(C)Toshihiko Yanagi

秋のダートマイル王決定戦、第37回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI、ダ1600m)が14日、盛岡競馬場で行われる。

今年はJRA所属馬が6頭、地方所属馬が9頭の計15頭により争われ、「Road to JBC」として、1着馬にJBCスプリントまたはJBCクラシックへの優先出走権が与えられる一戦。ダートマイル戦線の頂点に立つのはどの馬か、その結末を予想する。

◆【マイルチャンピオンシップ南部杯2024予想/結論・買い目】「一発逆転」の使者に人気盲点のJRA所属馬

■リピーターが活躍 レモンポップの評価は

昨年の覇者レモンポップが、今年も堂々の主役を演じそうだ。昨年はドバイ遠征からの海外帰りで、長期休養明けのレースとなったが楽逃げで後続に2秒差もつける大差勝ち。2着イグナイターが後にJBCスプリントを制しており、決して楽な相手関係ではない中での圧勝劇で、マイル戦線での王者っぷりを発揮してみせた。

その後はチャンピオンズCを制し、フェブラリーSも含めてGI年間3勝。JRA最優秀ダートホースに輝いた。今年は初戦のサウジCこそ12着に大敗したが、前走のさきたま杯ではイグナイター、シャマルらを寄せ付けず快勝。国内戦では14戦11勝2着3回のパーフェクト連対で、大崩れすることは考えにくい。

元来、リピーターが活躍するのが南部杯の特徴。2006~08年に3連覇を果たしたブルーコンコルドを筆頭に、ユートピア、エスポワールシチー(通算3勝)、ベストウォーリア、コパノリッキー、アルクトスと連覇を決めた馬は実に6頭。加えて、ホッコータルマエ(13年2着、16年3着)、ゴールドドリーム(18年2着、19年3着)など繰り返し出走して好走するケースも目立つ。

1番人気に支持されることは濃厚だが、過去10年、1番人気の成績は【7.1.1.1】馬券内率90%。10日の最終追い切りでは2歳新馬に併走遅れと、まだ万全の状態ではなさそうな印象だが今年も負けるわけにはいかない相手関係。連軸に据えるには最適な1頭だろう。

■逆襲を果たしたいGI馬2騎だが……

レモンポップに挑戦状を叩きつけるのが、今年のフェブラリーSを制したペプチドナイル。昨年までは重賞でワンパンチ足りない印象だったが、初めてのマイル戦となったフェブラリーSで、先行勢にとって厳しい展開のなか好位から正攻法で勝ち切る強い競馬。GI馬に上り詰めた。

左回りのワンターンで実施される当レース。ゆえにフェブラリーSとの親和性は高く、昨年のレモンポップ、一昨年のカフェファラオは同一年にフェブラリーSと南部杯を制覇。16、17年と連覇を果たしたコパノリッキーは、15年にフェブラリーSを勝利しており、12、13年連覇のエスポワールシチーも10年のフェブラリーS勝ち馬。ペプチドナイルにとっては好材料ともいえる。

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その一方で、前走のかしわ記念では地方の力のいる馬場が合わなかったか、終い甘くなってシャマルの3着に敗戦。初めて訪れる盛岡コースへの対応がカギを握りそうで、シャマルを物差しに考えても、ややレモンポップとは力の差がありそうだ。

もう1頭のGI馬、大井のミックファイアは昨年の南関東無敗の三冠馬。盛岡のダービーグランプリも制し、コースへの適性は証明済みだ。今年のフェブラリーSでは、勝ち馬からコンマ8秒差とそれほど大きく負けてはおらず、当時よりも相手関係は楽になる今回は前進もあり得るだろう。

しかし、東京大賞典、かしわ記念など中央勢を相手に王道路線を歩み、なかなか結果を残せていない点は懸念材料。元来は2000m前後がベストディスタンスで、かしわ記念も後方のまま流れに乗れず終わってしまった。マイルの速い流れについていけるかが勝負の分かれ目になりそうだ。